MSZ-010 ZZ-GUNDAM
登場作品:機動戦士 ガンダムΖΖ(1986)
全高:21.11m/本体重量:32.7t(フル装備時:68.4t)/乗員:1名(本体部)
(MS時の劇中設定より)
バンダイ製 プラトイ
デラックス ガンダムΖΖ
ガンダムmk-U、Ζガンダムに続くバンダイのデラックスシリーズ第3弾は「Ζ」の続編
「ΖΖ」の主役メカ・ΖΖガンダム。 Ζの変形に合体要素を加えスーパーロボット感が
増したΖΖは玩具的魅力を有し、玩具としてのパッケージングの良さを予感させます。
少々気になったのはmk-UとΖは箱に1/100スケールの表示があったのに本品には無い事。
また「ポピー事業部」だったのが「玩具部(ポピー)」表記に変更、「ホビー事業部」との
混同を避けての変更ですかね? 他に「対象年齢3歳以上」の表記が復活しています。
余談ですが本機は表記上「ガンダムΖΖ」、「ΖΖガンダム」の2パターンが当時から
混在する様ですが此処では基本的に「ΖΖ」或いは「ΖΖガンダム」としています。
1986年発売/定価:4800円
3機のメカで構成!
左からコア・トップ、コア・ファイター、コア・ベース。 操縦ユニットを持たない
コア・ベースはコア・ファイターを接続する事で大型戦闘機として使用可能になります。
コア・ファイター
全長:11.62m/翼幅:15.89m/全備重量:11.6t(劇中設定より)
本モデルの造型面で最も割を喰っているのがΖΖの中核を成すこのコア・ファイター。
玩具としての制約だの何だののシワ寄せがここに集まっちゃったかな…収納状態で固定の
エンジン&主翼に涙しつつも機首と尾翼の変形には当時の設計者の精一杯さを感じたり。
コア・トップ
全長:19.91m/翼幅:18.52m/本体全備重量:19.3t(劇中設定より)
後述しますがビームライフルを機首にする大胆さで高い攻撃力を感じさせるデザイン。
左右の青いスタビライザーは画像左の様に真っ直ぐが基本らしいのですが、同時期発売の
HCMではΖのウェイブライダーを意識したか画像右の様な角度が付けられていました。
コア・ベース(with コア・ファイター)
設定に則した感じのコア・ベース側にある固定用パーツと
コア・ファイター尾部に突き出たロッドで2機を固定します。
全長:12.86m/翼幅:15.93m/本体全備重量:37.5t(劇中設定より)
スピード感のあるコア・トップに対して重量感のあるコア・ベース。
バックパック直結のキャノンは簡易ラチェット機構により砲の角度が変更可能です。
実質、2機合体かな?
価格設定等の都合もあるかと思いますがコア・ファイターはもう1機欲しいかな?
合体開始!
変形してコア・ブロック形態となったコア・ファイターをコア・トップに合体。
コア・ベースのジョイント部をオープンさせ青いスタビライザーを下げます。
合体、ロック!
先述したコア・ベース側の固定ピンをコア・ファイター側の穴に差し込む際、
コア・トップ側にある小さな白いフックもロックする仕組みで強度を確保しています。
G-フォートレス
全長:30.13m/翼幅:18.52m/本体重量:32.7t/全備重量:68.4m(劇中設定より)
自前で賄うGアーマーといった感じのG-フォートレス。 戦闘機然としたΖの
ウェイブライダーよりゴツいスタイルが魅力的でモデルの造型も中々良さげな感じ。
SIDE VIEW
全長:約31cm
前作にあたるDX版Ζのウェイブライダーはスタイリングがもう一つだったんですが
DX版ΖΖのG-フォートレスはその辺まずまずな感じ。 基デザインから商品化時に
於ける変形前後の整合性をΖ以上に練り込んだ感じがして好感が持てます。
TOP & BOTTOM VIEW
大雑把に言えばロボをうつ伏せにしました的なデザインのG-フォートレス。
コア・トップのデザインが効いている為か上部はシッカリと飛行機に見えますね。
反面、底部に見える剥き出しのコア・ブロックには一抹の不安を感じたり?
個人的に残念なのは‘腰部'にあるスタビライザーの影響で‘腕部'を真っ直ぐに出来ない
点。 赤い主翼の可動ギミックで調整は出来ますが、もう少し肩幅が広ければ解決可能な
案件だけに残念無念。 先述した肩部の青いスタビライザーの角度はお好みでって事で。
因みに‘股間'にある赤い四角はコア・ファイターのロック解除ボタンになります。
FRONT & REAR VIEW
Ζのウェイブライダーを踏襲したスピード感のある前部に対し迫力を強調した後部。
モデルは前部にある黄色いインテーク?の幅が狭かったり機首のビームキャノンの位置が
機構の省略により異なったりする以外は玩具として上等なレベルだと思います。
比較的ラインを揃えた前部に対しユニットの集合体の様な後部という若干アンバランスな
機体ですが、ガンダム世界に於いては馴染んだデザインに見えるのが何とも不思議(笑)
まるで大型宇宙船の様な山盛りバーニアが迫力満点の後部。 プロポーションや
ディティールに甘さはあれど、どの角度でも割と画になるDX版G-フォートレスの
基本造型は良好、個人的にはキャノンからミサイル発射!とか欲しかったところです。
煽りで見ると宇宙船感が増しますね。
DX版Ζのウェイブライダーには車輪が搭載され転がし走行が可能だったんですが
G-フォートレスはデザイン的に不採用…ってかモデルの性格的に端から無用か。
MS形態へ変形開始!
まずコア・トップのコクピット部を分離、ここからは差し換え無しで変形していきます!
コア・トップの機体前部を折り畳むと胸部に。 この辺、Ζの変形を継承していますね。
DX版Ζ同様、頭部のアンテナは軟質樹脂を使用で胸部の‘くぐり'に対応しています。
剥き出しとなるコア・ブロックを見ていたらクローバーのDX版を想起しちゃったり。
次に腕部の変形。 フレキシブルに可動する肩のスタビライザーを動かしつつ前腕部に
収納されているバーニアと一体化した手首をどんでん返しの要領で変形。 変形時に
開閉する前腕部のカバーは若干柔らかい材質なんでピシッと閉まらないのが少々残念。
上腕部を回転させ後方(脚部)にあったバックパックを背中へと移動。
バックパックは腰部とアームで繋がっているんですが強度的にやや不安を感じますね。
バックパック側のピンを背中の穴に挿して固定します。
太腿部を180度回転させた後、膝下もスライドさせながら180度回転。
この辺の立体的な変形過程は見所のひとつですね。 足首を整えれば変形完了です!
FRONT,SIDE & REAR VIEW
頭頂高:約20cm
追求したいプロポーション&ディティールと玩具としての制約とのせめぎ合いの結果、
DX版ΖΖのスタイルはご覧の様な感じに。 小さめな肩部と広がっている筈の裾が
絞られちゃっている点を何とか出来ていれば印象が大分良くなると思うんですが…
因みに先述の通り本モデルはノンスケールなんですが頭頂高のサイズを見ると
約1/100なんでパッケージで謳っちゃえば良かったのに…なんて思ったりです。
頭部
ΖΖの顔はΖから先祖返りした感じのThat'sガンダム顔。
モデルの造型は横顔そこそこ正面イマイチな感じかな? 制限はありますが
首は左右に旋回可能、額のハイメガキャノン内部が黄色なのは審議モノかなぁ?
肩・腕部
腕部の可動は標準的で、左右への開きに対しては肩部にラチェット機構を搭載。 上腕の
ロールも可能で肘の曲げ角度は約90度、肩部スタビライザーの可動も手伝い先ず先ずの
可動範囲なんですが、残念ながらコストの問題なのか手首は旋回不可で指も固定に…
因みに前腕外側にあるアーマー等も可動するので表情付けの幅は結構広めです。
脚部
開脚度合いは画像左な感じで太腿の上げ具合と膝の曲げ具合は画像中な感じに。
膝はスラスター部とは別に変形が齎す脛側の軸も利用可能、太腿のロール機能と
合わせれば当時としては割と綺麗な立ち膝ポーズも可能となります。
因みに足首は爪先側のみ1軸で可動します。
ACTION
先に取り外したコア・トップのコクピット部は変形してダブルビームライフルに。
手首に持たせる事が可能なんですが先述の通り手首が回らないんでポーズ付けには相当な
制限を受ける上、DX版Ζ同様にビームサーベルは付属しないってのが何ともかんとも…
集合!ガンダムチーム(百式抜き)
バンダイDXガンダム3部作揃い踏みの図…おォ、こうして見ると中々壮観ですな!
既にこの時期ロボアニメの玩具はターニングポイントを向え次作「ドラグナー」では
遂にDX玩具が発売されず「マシンロボ」のみの展開となったのが残念です…。
因みにDX版ΖΖもこの後、甲冑部品を足した武者仕様として転生。 この頃から武者
ガンダムに始まるSD系玩具と「聖闘士星矢」から始まるクロス系玩具が市場を賑わし
ましたが89年の「パトレイバー」からアニメロボ玩具も少しずつ復権していく流れに!
1986年の完成品ΖΖガンダム2態
同時期、ホビー事業部から発売されたハイコンプリートモデル(HCM)とパチリ。
DX版より小さい1/144スケールながら変形合体を再現しつつ同シリーズのΖを超える
スタイルも確保したHCM版ΖΖ、別の機会に改めて展示したいと思います。
DX版ΖΖは過去2作同様、玩具という枠の中でその魅力を精一杯再現した良モデル。
当時の3歳以上向け玩具として迎え入れればマニア視点の諸々な弱点も無問題かな?
何より本モデルが持つ玩具ならではの遊び易さは最高に魅力的です!