MSZ−006
Ζ(ゼータ) ガンダム

〜HCM版&可変戦士版〜

登場作品:機動戦士 Ζガンダム(1985

 

全高:19.85m/本体重量:28.7t(フル装備時:62.3t)/乗員:1名

(劇中設定より)

 

 

 

 

バンダイ製 1/144スケール

ハイコンプリートモデル 22

 

HCMとしてはウォーカーギャリア、エルガイムmkUに続いての変形ものとなった

ゼータは当時のプラモで成し得なかった1/144での変形を完成品として発売するという、

ファンにとっては有難くも期待と不安が入り混じった…そんな興味深いモデルでした。

 

尚、完成品モデルですが例によって武器等の一部パーツは組立式となっており、

画像以外にもシリーズ恒例のファイルが付属します。

 

1985年発売/定価:2800

 

 

 

 

バンダイ製 1/144スケール

超合金GD-44 可変戦士Ζガンダム

 

可変戦士は以前展開された可動戦士の流れを継いだとも言えるシリーズで当時のHCMを

超える技術で1/144の完成品モデルに変形機構を搭載。 劇中から離れ過ぎないアレンジ

控え目な造型で、同シリーズには他にダブルゼータガンダムも発売されていました。

 

本体、武器共に組立て済みなので取り出して直ぐ遊ぶ事が可能なのは有難いですね。

後にカラーバリエーションが2種発売されました。

 

2002年発売/定価:5500円(税別)

 

 

 

 

それでは以下にHCM版と可変戦士版のΖガンダムを比較形式でご紹介!

 

 

FRONT,SIDE & REAR VIEW

頭頂高:約15cm(HCM)

 

劇中前半の主役メカ・マークUは初代を髣髴するデザインラインだったのに対し

後半の主役メカ・ゼータは可変機構を有する事もあって‘ガンダム'としては中々に

革新的なデザインだった訳ですが立体化に関しては当時から難物だった様ですね。

 

それでも1/144にして変形可能を達成したHCM版のスタイルは同時期に出た変形可能な

1/100のプラモ版に比べてパッと見、まぁまぁな感じ? 変形の都合もあってか広い肩幅の

上半身に対し下半身のボリュームがやや不足気味な気もしますが納得出来る範囲かと。

 

頭頂高:約14cm(可変戦士)

 

HCMから17年の間に向上を続けたバンダイの技術力により1/144で変形可能なゼータも

随分とレベルアップした感じですね。 マニア視点では諸々問題点もあろうかと思いますが

このサイズの完成品としては平均的な要求値を充分クリアしたスタイリングだと思います。

 

因みにブランドでもある‘超合金分'はパッと見、上腕と太腿のみで正直使用しなくても

良いんじゃないかっつー感じなんですが…この辺オトナの都合なんですかね?

 

並べると→ 

 

同じ1/144ですが両者には約1cmの差が。 何かゼータって当初から資料によって

全高等の数値にバラつきがあった様ですね。 ゼータに限らず再立体化の際に全高が

ガラッと変わっちゃったパターンも散見していた様に感じます…0083シリーズとか。

 

 

 

 

HCM版 首・肩・腕・脚部

 

首は左右に旋回可能、デザイン的な制約を克服出来なかったか肩の開きは申し訳程度。

また肘こそ標準的に可動しますが上腕側部に造型された肩部側面アーマーが肩部本体と

干渉する為に上腕のロールがほぼ不可、前腕が胸側にしか曲げられないっつーのは…

 

構造上、脚部もそのままでは前方に動かせないってのも大きな不満点で膝や足首の可動も

変形の都合を優先した形となっています。 本モデルに限った話ではありませんが

HCMシリーズは全体的に可動派な向きにはツライものが多い様に感じますね。

 

 

 

 

可変戦士版 首・肩・腕・脚部

 

首はボールジョイントなんですが襟足の影響で頭部を水平に旋回させる事が出来ません。

肩の開きは構造こそ違えどHCMから余り進歩がみられないのも残念な点ですね。

肘の曲げ角度に至っては90度近く曲げられるHCMに負けちゃってる始末で…

 

画像下・中で示した腰フレーム前方へ脚部を接続するという独特な構造は面白いところ。

これにより可変機構と脚部の可動の両方を確保しているのですが構造上、太腿を後方へ

動かす事は出来ません。 膝は二重関節、制限はありますが足首の捻りも可能です。

 

 

 

 

 

ACTION 〜HCM版〜

 

ビームライフルとビームサーベル(2本)が付属しますが如何せん身体の硬いHCM版、

指が2ピースで可動する手首に持たせる事は出来るもののポーズ的には全くと言って

良いほど決まらず…左腕に付けたシールドもバランス的にはイマイチな感じですね。

 

 

後述しますが変形の都合上、脚部が左右に開くのでこれを利用すれば脚を前に上げる事が

可能に。 多少の格好はつけられる様になりますが見られる角度は限定されそうですね。

因みにライフルのグリップは可動するのでライフル本体に収納可能です。

 

 

 

 

可変戦士版 付属品

 

可変戦士版には定番であるビームライフル&サーベル(1本)、シールド以外にもハイパー

メガランチャーとグレネードランチャー×2が付属。 サーベルの刃がクリア成型なのは

今の時代、義務なのかも? これに加えて持ち手用の手首が左右分付属します。

 

 

ビームライフルは銃身の伸縮&グリップ可動&マガジンの脱着が可能。

ハイパーメガランチャーも同様に銃身の伸縮&グリップの展開ギミックを有しています。

 

シールド裏にある腕への接続部はアーム状で、これが多少の表情付けを可能とします。

尚、グレネードランチャーは形のみで取り付け以外にギミックは無しとなっています。

 

 

 

 

ACTION 〜可変戦士版〜

 

武装時のスタイリングも悪くないんですが、HCM以上ではあるものの

関節の可動範囲が限られているんで思いの外ポーズは決まらないんですよねぇ。

何より持ち手のグリップ力が弱くてサーベルがまともに握れない…(涙)

 

 

それでも精一杯頑張ってみる。 ん〜、やはりポーズ付けはセンス次第…か。

ハイパーメガランチャーはその重量と関節の保持力の問題で構えさせるのは超困難!

今ならクリア成型の支え棒が付属するパターンですな。

 

 

よォいしょォ!ってな感じでパチリ。

やっぱパッケージ写真みたく銃口か尾部を床に着け、両脚と合わせ3点立ちさせるのが

無難ッスな…この辺、超合金の名を冠しつつも‘玩具'では無い事を再認識させられます。

 

 

 

 

さてHCM、可変戦士の両モデル最大のウリは1/144でありながら変形する事。

モデル化の度に解釈やらアレンジやらの試行錯誤を繰り返してきたゼータの変形。

ここからはHCMと可変戦士の変形過程を順にご紹介します。

 

 

ウェイブライダーに変形 〜HCM版〜

 

頭部のアンテナは黄色い硬質部品と白い軟質部品が付属。 先程までの硬質部品から

軟質部品に付け替えれば変形にも対応可能になりますが変形後に付けた方が良いかも。

 

シールドと背部のフライング・アーマーを外せば下準備が完了。

画像では背部中央のスタビライザーも外していますがこれは付けたままでも可です。

 

下準備が出来たら先ずは胸部をガバチョと開き脚部を左右に展開。

昔はボディ内部のスカスカっぷりにモヤっとしたもんですが今や気にしない×2。

んで、お次は腹部を左右に開いて腕部の収納準備…なんですがここでビックリ。

 

 

腕部の収納前に肩部側面にあるスラスターをクルッと180度回転…って何だこりゃ?

こういった苦肉の策的なアレンジに微笑ましさを感じつつ肩を窄める様にして収納。

そんでもって脚部の変形&フライング・アーマーの組み立てに移ります。

 

…と、ここまで変形させた時点で胸部パーツが割れている事を発見(涙)

テンションが掛かる場所の割りには細い&薄いんですよねぇ。

 

 

脚部の変形はビルバインの流れを汲んだってか脛横や脹脛のスラスター等、デザイン面に

於いてもビルバインが雛形っぽいッスね。 エルガイムmkUの脚部変形も似た様な感じ

でしたっけ。 脹脛のスラスターが引き出し式となっている辺りは中々に芸コマです。

 

腰部のサイドアーマーを前方に回転、足首を閉じれば脚部の変形は完了。

シールドにある金属製パーツを左右に展開し、これにフライング・アーマーを接続。

その間にある白い柱状パーツは本体とのジョイント用で、これを引き起こします。

 

 

フライング・アーマーを本体底部に接続。

先述の肩部側面スラスターの回転はこの時フライング・アーマーに干渉する為でした。

 

フライング・アーマーに収納されていたウィングを展開、外していたロングテール

スタビライザー(説明書表記)を取り付け、展開すれば完成です。 先にも記しましたが

変形時にロングテールスタビライザーを外す必要はありません。

 

 

 

 

ウェイブライダーに変形 〜可変戦士版〜

 

時代が進み技術も向上した可変戦士版の変形は値段が張る事もあって中々に精密。

頭部アンテナは可動式で胸部の開きに対しスムーズに対応、HCM版では開いた腹部も

可変戦士版では閉じます。 兎に角、設定を重視する方向性なんですね。

 

複雑なフレームを介し脚部を左右に展開、腕部を収納します。

肩部のスラスターは回転不要です(笑)

 

 

背部のフライング・アーマーも複雑なフレームアームで本体と接続されており、

取り外す事無く画像の様に変形させる事が可能となっています。

 

 

シールドを取り付け腰部のサイドアーマーを前方に回転、腰のリアアーマーを前方に

スライドさせスタビライザーを展開。 足首を閉じて脹脛のカバーを前方にスライド

させればスラスターが展開。 膝関節の脛側にはクリック機構を搭載しています。

 

 

フライング・アーマーの翼部は2段階に展開、変形完了となります!

ランディングギア類は無いのでディスプレイ台があると嬉しかったかな。

 

 

 

 

並べてみる

 

以下、基本的に画像左または上がHCM版、右または下が可変戦士版。

機首の影響かMS形態とは逆に可変戦士版の方が大きく見えますね。

 

 

 

 

SIDE VIEW

全長:約18.7cm(HCM)/約18.5cm(可変戦士)

 

ビルバインほどのケレン味は無くバルキリーほどのリアルっぽさも感じないゼータ。

もう少しヒーローっぽさがあっても良かったと個人的には思ったり。 モデルはHCM版

の機首の短さが気になりますね。 ‘当時ならではの仕方なさ'はあるんでしょうが…

 

 

 

 

TOP & BOTTOM VIEW

 

設計の違いが如実に出ている上・底部。 HCM版は当時としてはこれが限界って感じを

受けますね。 対する可変戦士版は求められるユーザーの要求値が当時以上なだけに

その辺少々気の毒な気もしますがMS形態同様、及第点はバッチリ取れているのは流石。

 

 

 

 

 

FRONT & REAR VIEW

 

以外にも前方からの見た目はHCM版の方が格好良く思えたり。 これは可変戦士版に

見られる機体の厚みが悪い影響を及ぼしている様ですね。 現代のマニア目線で見ると

玩具的なHCM版の造型が、ここに於いては良い方向に出ている気がします。

 

 

 

 

 

17年…刻の涙を見る

 

当時から果敢に挑戦してきたゼータの変形。 途中、ウェイブシューターなる概念を

持ち込む苦闘っぷりもありましたが可変戦士版を見るにある程度の解は見つかった感じ

ですかね。 ただ隙間から頭部がまる見えってのはいただけないところですが…

 

 

 

 

 

可変戦士版ウェーブライダーは

 

設定に即してスタビライザー基部にあるジョイント孔にビームライフルを、

底部にはハイパーメガランチャーを取り付ける事が可能となっています。

先述した「隙間から見える頭部」は出来るだけ気にしない方向で…!

 

 

 

 

可変戦士から16年…(2018年現在)

 

HCM版から17年後に発売された可変戦士版。 その10年後の2012年に発売された

RG(プラモ)が2018年現在の1/144変形ゼータの最適解ですかね? 2017年に発売

されたリニューアル版HGUC(プラモ)は仰天の組み換え変形でしたもんね。

 

歳を重ねて良いなと思うのは技術の進歩を実感出来る事。 HCM版は現代の目でみると

ツライものがある様に思えますがガンダム第1世代としては当時は当時のレベルで楽しみ

現代ではノスタルジックな気分を楽しむ…年配者ならではの一寸贅沢な時間なんですな。

 

21世紀に入り当時以上にマニアの厳しい目に晒される中で発売された可変戦士版は要求

される繊細な構造&造型にウリの1つである合金が馴染めていないのと各部が緩み易い

のが残念な点かな。 格好良く遊び易いってのは大きなポイントだと思うんですが。

 

 

 

 

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