登場作品:ユリョン
全長:111m
2004年辺りからナゼか巻き起こった「韓流ブーム」。
軟弱とも思えるヨン様達の純愛ストーリーに一部の日本人は大喜び。
だが1999年に韓国で公開された潜水艦映画「ユリョン」は、そんな軟弱さとは無縁な
無骨で硬派なストーリー。荒削りながらも制作者のスピリットを感じる作品で
日本でも2001年3月に劇場公開されました。
幽霊(ユリョン)
訓練中に精神異常をきたした艦長を射殺した罪で死刑となった主人公=イ・チャンソク。
だが刑は執行されず「431」という番号を与えられ特殊任務に就かされる事になる。
作戦コード‘KMX1’、作戦名「ユリョン」
韓国がロシアから極秘に譲り受けた原子力潜水艦シエラ級を攻撃型に改造、ユリョンと名付けられ
韓国初の原潜となった。乗組員も主人公を始めとして全員「既にこの世に居ない存在」の者ばかり。
まさに「ユリョン(幽霊)」の名に相応しい陣容だったが…
こんな感じでストーリーが進行していく「ユリョン」ですが、後半は反乱を起こした副長「202」と
主人公の対決になり、ここで2人のセリフを借りて制作側の日本に対する考え方が表現されています。
ユリョンで日本に核攻撃を仕掛けようとする202を主人公は止めるのですが、「今はその時でない」
と言う主人公のセリフに日本人としては考えさせられるものがあります。
シエラ級‘ユリョン’
ユリョンはロシアのシエラUを韓国独自に改造した…という設定なので外見的な特徴はコレといって
ありません…が、もともと旧ソ連時代からロシアの潜水艦というのは合理的で味気ない米の潜水艦と
比べて独特の形状をしており、ナメクジの様なセイルやタイフーン級に見られるロングノーズ等には
魅力が一杯です。タイフーン級といえば現在のところ世界最大の戦略原潜で、
映画「レッドオクトーバーを追え!」に登場するレッドオクトーバーもタイフーン級の改造型でした。
アリイ製 プラモデル
の、パッケージ。
劇場公開に合わせて用意された販促品らしく非売品と表示されています。
当時劇場で観た訳ではないので、どの様な経緯で配布されたのか判りませんが
前売券を買うと貰えたのかもしれませんね。
スケールは1/700です。
パッケージ側面
ユリョンの上部図面と要目が表記されています。
こういった配慮は嬉しいですね。
でもシエラ級ってこんな形だっけ…? あァ、韓国が改造したんだっけ(笑)
反対側の側面には劇中のカットが主人公を中心に5枚ほどプリントされています。
左下のマジックで消されたトコには何が…?
説明書
あっさりとした内容なのですが、フルハル用の部品とは別に
喫水上のみの部品も入っているのが嬉しいところです。
ん〜、だけど何かがヘンだぞ?
…で、中身
部品は1ランナーのみ。
特にギミックの無いディスプレイモデルなのでこれで充分なのですが…
…それにしてもこの違和感は何だ…?
あーっ!!!
ロ…ロサンゼルス級ってアンタ、米の原潜やんか〜!
事情があったんだろうけど、もー少し似たヤツは無かったのォ?(涙)
「プラモは箱が命」って偶に聞くけど、このユリョンは正にソレ!
…しかし、作る事が全く無意味なプラモってのも珍しい(笑)
シエラ級のプラモが用意出来なかったのでしょうが
「どうせ一般人にゃ区別はつかん」的な考えが
見えて来る様で少しガッカリします。
確かに近代の潜水艦はどれもソックリに見えると
思いますが、せめてランナーに彫られた
本来の商品名くらい何とかして欲しいものです。