登場作品:ウルトラセブン
[ハイドランジャー要目]
全長:48m 全幅:7m 重量:1200t
速度:50ノット(水上) 27ノット(水中)
乗員:4名
1967年に登場した「ウルトラセブン」は宇宙人の侵略等から地球を守る
地球防衛軍ウルトラ警備隊の活躍を描いたもので、
現在に至るまで日本のTV特撮作品の最高位にあると思われる作品です。
設定との闘い!
前作S号の全長9mは全幅を考えるとかなりキツイ設定でしたが
今回のハイドランジャーは48mと大型化しています。
しかしセブンの身長が40m、怪獣もそれに準じるとなると作劇上余り大きな
潜水艦を登場させる訳にもいかず、小さな潜航艇に怪獣の周りをウロウロして
貰った方が都合が良いという事になります。
ハイドランジャー
ハイドロジェット推進による水上50ノットは立派ですが、
水中27ノットはもうひと頑張り欲しかった処。しかしその形状は水上航行能力を
重視している様に見えるのでこれはこれでリアルなのかな?
特徴的なセイル部の形状は1959年に登場した旧ソ連の潜水艦‘665型’が
元になっています。ウィスキー級と呼ばれた613型から発展したもので
西側では‘ウィスキー・ロングビン’と呼称されました。
セイル内部に巡航ミサイル発射機を内臓したその形状は
現実世界に於いてもかなり異形な存在で見る者を惹きつけます。
665型の様に実在するメカの中にも時としてビックリデザインなメカが登場し、
それがSFメカのデザインにも影響しているのを見つけるととても興味が湧きます。
フジミ製 プラモデル
1967年の初放映以来ウルトラセブンの商品は数社から発売されましたが
ハイドランジャーはその地味な存在故か商品化される事はありませんでした…が、
2001年、折からの古キャラブームに乗って遂に一般商品として発売されました!
モデルは始めから2隻分のパーツが入っているので1号艇・2号艇が同時に
出来上がります。しかも喫水線から下は別パーツなので洋上モデルとして
組上げる事も可能となっています。
しかし当初発売されたモデルでは何故かデカールの文字色に不具合が発生、
(白文字なのに黒文字になっている)ユーザーには不評を買いました。
画像はその後発売された訂正DX版?で、設定通りの白文字デカールと
1/700ホワイトメタル製ハイドランジャーが付属しています。
本体のスケールは1/200 定価 ¥2800
左舷および上部
全長約24cm
前作ウルトラマンに登場したS号を受け継ぐロングノーズな艦影。
艦首とセイル内部にミサイル発射機を、セイル上部にレーザー砲を装備。
画像のモデルは以前ネットオークションで落札した完成品を使用しました。
前部および後部
非常に狭い上部甲板。乗員はセイル部のみで活動する様です。
後部の安定翼にある舵もかなり小さめですね。
付属のホワイトメタル
全長約7cm
フルハル&洋上モデルの2隻入りで、デカールもちゃんと付属。
665型‘ウィスキー・ロングビン’
ハイドランジャーのモデルになったであろう旧ソ連の潜水艦で
核弾頭を搭載した巡航ミサイル‘P5’を運用する。
1959〜64年に6隻建造。
モデルはタカラ製‘浴玩 世界の艦船 シリーズ3’より
S−61 KOMSOMOLEZ
セイル部比較
元ネタを上手にアレンジしているのが良く判りますね。
画像左の665型は上下2段、計4基のミサイル発射機を装備。
(ハイドランジャーは2基)
第42話
ハイドランジャーが活躍したエピソードの一つで
脚本は言わずと知れた金城哲夫氏。
ハイドランジャーVS怪獣ガイロス
海底原人ノンマルトが送り込んだ彼らの守護神であったが
ハイドランジャーの攻撃力はガイロスを凌駕、
ガイロスは後にウルトラセブンとも闘うがアイスラッガーの前に成す術は無かった。
画像はバンダイ食玩「ウルトラ怪獣名鑑〜ウルトラセブン編2」の中の1つ。
厳密に言うとガイロスに対してハイドランジャーはもっと巨大だ。
※因みにこの時のハイドランジャーは1号艇
グローリア号
ノンマルトが拿捕したイギリスの原子力潜水艦。
海底進出を止める様にという警告を無視したとして
海岸沿いの集落を砲撃するもハイドランジャーに撃沈される。
ベアモデル製 ソフビ
ノンマルトのオマケにグローリア号のソフビが付いている。
レトロ風味の怪獣ソフビ玩具というのは数社から発売されているが
「一般玩具」とは一寸趣が異なるものが多いと言える。
60年代、マルサンやブルマァクの怪獣ソフビで遊んだ人を
メインターゲットにしていると思われますが‘受け入れ度’は人それぞれでしょうか。
個人的にはここで紹介するノンマルトの様に
‘当時発売されなかったものの商品化’というのには魅力を感じます。
定価 ¥5000(ノーマル版カラーとイベント版カラーあり)
左舷および上部
全長約8cm
ディフォルメされているものの雰囲気は掴んでいる。
両舷に張り出した翼が飛行機の様だ。
前部および後部
メイン商品であるノンマルトのオマケなので多くは望めないが
ガレキで出た記憶も無いので大変貴重な存在かもしれない。
搭載砲概念図!
グローリア号最大の特徴といえば劇中大活躍?する
セイル前方等に設置された回転式連装砲であろう。画像右がその概念図(笑)
櫛の1本1本が砲身と思って下さい。(劇中では1列9本ほど)
これが基部の軸に6〜8列ほど等角にセットされクルクル回転しながら砲撃します。
グローリア号はこれをセイル前方に3段程積み重ねて設置しており
やって来たホーク1号も迎撃、警備隊は被弾したγ号を廃棄していました。
ハイドランジャーもそうですがグローリア号が
立体化されたのは幸運の極みかもしれません。
当時を知らない世代でもレンタルビデオで気軽に
楽しむ事が出来る「ウルトラセブン」、
ノンマルトの無念さもスグに想い出せます…。
M78星雲では‘地球人’をノンマルトと呼ぶ…