MARVELER & LEOPALDON
登場作品:スパイダーマン(1978/TV特撮)
バンダイ製 超合金魂 GX-33
スパイダーマン&レオパルドン
パッケージサイズ/縦:約20.5cm×横:約34.3cm×厚:約8.5cm
超合金魂も33種類目ともなれば結構マイナーよりのロボットに御鉢が回ってくる様です。
マーベラーへの完全変形に加え各関節も可動、と当時の玩具を凌ぐ凄い技術が今回も投入
されているんですが慣れというのは怖いもので今ではこれが当たり前と感じちゃう様に。
本商品はレオパルドン以外にもポピニカブランドのスパイダーマシンGP-7やソフビ魂
スパイダーマンも付属するというファンにとってはお腹一杯の豪華仕様となっています。
それにしても「超合金魂スパイダーマン&レオパルドン」って商品名にゃ何か違和感が…
2006年発売/定価:7800円(税別)
まずはマーベラーからご紹介!
全長:48m/速度:マッハ5(宇宙では準高速)・水中40ノット
スパイダー星人・ガリアと共に地球にやって来た宇宙戦艦マーベラーは
無敵のロボット・レオパルドンに変形して戦闘機械獣マシーンベムに立ち向かう!
(劇中設定より)
SIDE VIEW
全長:約17.5cm(約 1/274スケール)
マーベラーは基本的にロボット(=レオパルドン)をうつ伏せにしたシンプルスタイル
ですがスパイダー星にも生息していたと思われる?豹の頭部型艦橋が宇宙船としての主張
とケレン味を表現。 これが思いの他、功を奏していて格好良く纏まっている感じです。
TOP & BOTTOM VIEW
ロボ形態を基準にして見ると基本的に頭以外隠していないのが良く解る上・底部。
大腿部や膝下の外装を横に張り出す発想が面白く、間延びを防ぐモールドも良いんですが
如何せん真っ黒なんで余り目立たず…要所で塗装ポイントを設けても良かった様な…
底部を見ると肩部辺りに詰めの甘い部分もありますが、まぁこんなものかと。
当時の超合金は車輪を装備していたので転がし走行が可能だったんですが玩具的ギミック
より形状を重視するフィギュア志向の強い昨今、その様なギミックは無く…
FRONT & REAR VIEW
大きな特徴と言える艦橋部は悟りを開いた様な表情が良い感じ…なんですが
艦首に設けられた蜘蛛の巣の意匠とのマッチングには少々の疑問を感じたり?
まぁ、でも安易に気持ち悪い蜘蛛型宇宙船としなかったのは英断だったかな。
後部は先述した真っ黒効果で折角のモールドが活かせていない様です。
形状的にも面白味に欠けるんでやはり部分塗装等の演出があって良かったかと。
全体のシルエットはスフィンクスっぽいですね、今以上に当時の子供は宇宙人・UFO・
古代文明・未来科学・お化けといったものに興味津々だったんでその関係かも?
モデルの造型は至って良好、元々無理のないデザインなんで当時の超合金からして優秀な
スタイリングでした。 スケール感を演出するディティールも良い感じですが出来る事なら
艦首のマーベラーカノン(蜘蛛の巣の下・左右)発射ギミックを受け継いで欲しかった…
後部から見るとスフィンクスっぽさはありませんが、箱型デザインからくる
平面主体の構成が結果的に上手く宇宙船っぽさを出せている感じ。
豹の頭部の様な部位は‘艦橋’と説明書にもありますが、それとは別で艦首上部に
コクピットらしき部位もデザインされています。 艦橋との関係性は不明ですが
少なくともレオパルドン時はこちらで操縦するんでしょうね。
底部はレオパルドンの正面なんで形状的にも色味的にも賑やか。 昔の超合金には
後部左右の張り出し部分(膝下カバー)にもミサイル発射ギミックがあったんですが
構造上、マーベラー時には前方に発射出来ないという仕様だったんですよね。
ACTION
艦橋後部のハッチが開閉し付属する同スケールらしき全長:約2.2cmの
GP-7を格納する事が可能、格納庫に対し結構タイトなサイズなんで
注意しないと嵌り込んで取り出し難くなります。
付属のポピニカGP-7&スパイダーマン
モデルにはマーベラーに格納可能なGP-7以外にも全長:約7.8cmのGP-7も付属。
当時展開していたキャラウィールに準じた感じですがポピニカ名義となっておりポーズを
決めた同スケール?のスパイダーマンも付属。 尚、単品販売はされませんでした。
◆GP-7は空想科学自動車&バイク博物館で個別に展示中!◆
展示室の1番下にリンクがあります。
それではレオパルドンに変形開始!
マーベラー! チェンジ、レオパルドン!
先ず2枚の垂直尾翼を収納しつつ艦橋部を左右に開いて頭部を起こし、艦首底部にある
カバーを開きながら艦首部(=レオパルドンの胸部)を回転させ頭部を立ち上げます。
最後に開いた艦橋部を閉じればこのブロックの変形は完了。
後部(脚部)の変形
マーベラー後部の左右にある張り出し部は太腿と膝下のカバー。
太腿のカバーは腰部で軽くロックされており、マーベラー時に脚部のフラつきを防止。
膝下カバーも先端部が太腿カバーの内側でロックされています。
マーベラー時の両脚はジョイントで固定されています。
両脚を開いた後、左脚にある凸型のジョイント部は180度回転させる事が可能。
近年の玩具では当然なのかもしれませんがこの辺の心遣いは嬉しい限りです。
側部(腕部)の変形
マーベラーの左右側面にあるユニットはレオパルドンの両腕。
前腕部を180度伸ばした後、ユニット先端にある2ピース構造のカバーを折り畳みつつ
肩&上腕部を180度回転させ前腕部と繋げればレオパルドンへ変形完了!となります。
本モデルには変形タイプの腕部と関節が可動するタイプの腕部がセットされており、
変形を楽しむ際は変形タイプの腕に握り手を付けた状態のものを取り付けます。
画像右は右腕だけを可動タイプの腕部&掴み手に付け替えた状態で、
両タイプの差が見て取れますね。 (腕部に関しては後述を参考)
以下からは基本的に可動タイプの腕部を使用していきます。
FRONT,SIDE & REAR VIEW
全高:60m/総重量:25000t/速度(地上):時速 50 km(劇中設定より)
モデルの全高:約17.5cm(約 1/343スケール)
東映的には「大鉄人17」に続く巨大特撮変形ロボであるレオパルドン、立体的な変形を
見せた17に対し平面的な変形とする事で差別化を図った感じですが元々変形玩具として
設計されている故にそのスタイルは当時の技術力の関係もあって17の様な箱型体形に。
デザイン面では黒と銀をベースに黄と赤でアクセント…というマジンガーの様なアニメ的
色彩設計が特撮ロボとしては目新しく、後のバトルフィーバーロボにも採用される事に。
蜘蛛の巣の意匠でヒロイックさも出していますが…背中に残る豹の頭が少々アレかも?
モデルは劇中の変形用ミニチュアと着ぐるみの中間を狙った様な造型で、当時の超合金を
彷彿させる合金使用率からくる質感と重量感が心地良い感じ。 この辺は‘フィギュア’
としてよりも‘玩具’としての方向性を優先させた感じで何とも嬉しかったりです。
以下、各部位を順にご紹介。
頭部
頭部はボールジョイントにより限られた範囲で自由に可動します。
後頭部には額にあるアークターンの発射スイッチがあり、押せば飛び出しますが
気を付けないと頭部を触る度に暴発しちゃって…予備は無いんで紛失注意です。
にしてもヒーローロボにしちゃ結構、悪役ヅラですねぇ(笑) 隈取りっぽいデザインが
自我の無いレオパルドンに意思を持たせている様で、何考えてんだか解り難いクールさが
魅力だった17と差別化した感じ? やっぱヒーローが搭乗するってのが大きいのかも。
肩・腕部
腕部を前後に振る動作に関しては肩部のクリック機構により12段階で360度回転可能。
左右の開きに関してはロール可能な上腕の向きで多少差が出ます。 (画像右参照)
肘の曲げ角は約90度、手首は前腕側のボールジョイントを拳の穴に取り付ける仕様で
回転は360度可能でもそれ以外の動きとなると案外自由度は低めだったり。
変形用の腕部&手首について
マーベラーへの完全変形を可能とする変形用腕部の肩関節は1軸のみで左右への開きは
不可、変形の都合もあって肘関節は1軸で前方に90度ほど曲げられます。 また前腕部に
アームロケット機能(=ロケットパンチ)を搭載しているので拳を飛ばす事も可能です。
手首は握り手と掴み手の2種が付属しますが画像の通りサイズには差があるので、
大きな掴み手を変形用腕部に付けても変形不可なんですね…飛ばす事は可能ですが。
あとアームロケットの都合上、変形用腕部に手首を付ける際は
手首の穴に付属するジョイントパーツを取り付ける必要があります。
(上の画像は握り手にジョイントパーツを付けた状態)
ところで…
本モデルはお馴染みの MADE IN CHINA なんですが「一時期の中国製トイは黒プラが脆い」
という話を小耳に挟んだ事があります。 只でさえ経年劣化に怯えなきゃならん上に
幾つか心当たりもあったんで軸が細いジョイントパーツの取り扱いは特に要注意かと。
手首に付ける時は良くても結構キツいんで外す際にポキッ!なんて事が頭を過ぎり…
なんで握り手はアームロケット専門にするのも吉かな? 掴み手に武器を持たせたまま
飛ばしても然程面白く無さそうだし、手首やジョイントパーツに予備は無いし。
胸部
画像の様に胸部をスイングさせる事も可能ですが効果の程は…ビミョー?
脚部
開脚は画像左の位置迄で、フィーリングとしては閉じと開きの2段階で固定される感じ。
足首は限られた範囲ですがボールジョイント的に可動するんで接地具合もまぁまぁ。
大腿部の前後可動と膝の曲げ角は画像中が限界。
ロボットにもよりますがレオパルドンならこのくらい動けば充分かな?
ACTION
本モデルには劇中でよくブン投げてたメッキも眩しい必殺剣・ソードビッカーと
プロップまで作っておきながら劇中で未使用だったスパイダープロテクターが付属し
左右を問わず掴み手に持たせられますが、そのデザイン&構造的に両手持ちは不可で…
因みに劇中だとソードビッカーは右脚に収納されていますが無理設定故に本モデルでは
反映せず。 当時のスタンダード超合金では脛横に挿して無理くり表現、DX版では此処
からミサイルを発射可能で、ユニットを回転させて発射方向を変更する事も可能でした。
付属のディスプレイ台
超合金魂ではお馴染みの高級感を漂わせつつ機能的でもあるディスプレイ台が付属。
マーベラーorレオパルドンの両パターンでディスプレイが可能でソードビッカーや
スパイダープロテクターのホルダー、ミニスパイダーマンの立ち位置も装備という仕様。
他にも付属のポピニカGP-7や変形用、又は可動用の腕部も内部に収納可能です。
(画像右参照)
更に付属するソフビ魂 スパイダーマンと
スパイダーマンの身長:約15.7cm
本モデルにはバンダイがこの頃に展開していた懐かし系ヒーローのポーズ固定ソフビ人形
「ソフビ魂」のスパイダーマンも付属、最早当たり前と言える良好な造型に加えスパイダー
ブレスレットにはメッキ処理という力の入れ様で自立可能ですが台座も付属します。
ただ、劇中では生地にプリントだった蜘蛛の巣模様をモールドで表現するというアレンジ
を施した事で東映版っぽさは大分薄まった感じかな?…格好良いけど賛否はありそう。
尚、先述のGP-7同様にソフビ魂スパイダーマンも単品販売はされませんでした。
悪を探り空駆ける、チェンジ・レオパルドン!
レオパルドン以外にセットされたソフビ人形やポピニカも充分に単品販売級の完成度!
本来は夢の様なオールインワン玩具なんですが単体系特撮ロボの人気はイマイチな様で、
これ以降の超合金魂は戦隊ロボでさえ敬遠されるという何とも淋しい状態に…
先述した様に若干の材質的不安があるものの玩具的な不満点は皆無な本商品。
ファンであれば当時の超合金に負けない満足感が得られるアイテムです!
2020年9月には「レオパルドン&マーベラー召喚セット」と題して再販が決定、
ソフビ魂スパイダーマンの代わりにギミック付きのスパイダーブレスレットが付属し
商品の豪華さは更に増したものの、価格は22000円(税込)だそうで…