登場作品:地球の危機(映画)/海底科学作戦(TV)
シービュー号は1961年公開の映画「地球の危機」で初登場。その後64年〜68年に
かけてTVシリーズ化、日本でも放映され人気になりました。本作は「タワーリング・
インフェルノ」等を手掛けたプロデューサー、アーウィン・アレンによる初のSF作品で、
この後「巨人の惑星」や「宇宙家族ロビンソン」へと続いて行きます。
地球の危機
シービュー号が初めて世に出た「地球の危機」は、言うなればシービュー号の
お披露目的な映画でストーリー的にはアレなのですが(笑)冒頭のダイナミックな
浮上シーンや丁寧な艦内描写などで我々SFファンの目を強く惹きつけてくれます。
突如地球を覆うバンアレン帯が炎に包まれ気温が上昇、地球の危機を救うべく
ネルソン提督は【ほぼ独断】でシービュー号を駆り作戦ポイントへ急ぐ…
計算で導き出した期日内に【搭載する核ミサイルで炎の層を吹っ飛ばす】為に!
だがその途中には様々な試練が彼らを待ち受けていた…というのが大体のストーリー。
艦内ではネルソン提督の独断に対する妨害工作が繰り広げられ、艦外では機雷原や
巨大ダコがシービュー号の行く手を遮ります。冒頭で「ネルソン提督の道楽」
とまで言われるシービュー号ですが、L・B・アボットの手による特殊効果は
その魅力をスクリーン一杯に表現し観る者をこの脅威の航海へと誘ってくれます。
海底科学作戦
劇場公開から3年後、シービュー号はTVシリーズとなって帰って来ました。
4年間で4シーズン、全110話に渡って制作された本作は日本でも放映。
モノクロの第1シーズンはNET系、カラーとなった第2シーズン以降は
東京12チャンネル系で放映され人気を博しました。
そう云えばこういった海外のSFドラマは80年代くらいまで深夜帯などで
よく再放映されておりました。この時期にリアルタイムで放映された新作の
特撮作品やアニメ作品に加わえての事ですから、今思うと異常な程のSF熱が
あったんですね。尚モノクロの第1シーズンのタイトルは「原潜シービュー号」、
カラーの第2シーズン以降は「原潜シービュー号/海底科学作戦」となっています。
シービュー号&フライングサブ
シービュー号最大の特徴は艦首にある超大型の展望窓にあります。
これにより艦内から海中を(それも前方の)覗く事が出来、本来は密室である筈の
艦内に開放感が生まれてドラマ作りに大きな幅を持たせる事が可能となりました。
現実に深深度で海中を展望するのは難しいのですがほんの少しのフィクションで
ストーリーは無限の広がりを見せ、TV版ではこれがフルに活用されています。
当初上下2段だった展望窓はシーズン2で1段に変更、より作劇し易くなった様です。
また、これに合わせる様に登場したのが空飛ぶ小型潜航艇「フライングサブ」です。
フライングサブはシービュー号の艦首に格納、底部のハッチが開いて発進します。
フライングサブもシービュー号同様に前面にガラス窓があり、これを見ながら
ドラマを展開させます。小回りが効くフライングサブとシービュー号を織り交ぜる
事により更にストーリーに立体感が生まれました。実際、シービュー号の人気が
上がるのはこの第2シーズン以降ではなかったでしょうか。
しかし展望窓が1段にモデルチェンジしたシービュー号はデザインにイマイチ感が
あったのか緑商会から発売されたプラモデルは全て展望窓が2段の旧モデルでした。
その為、旧モデルのシービュー号に付属のフライングサブを格納するという
劇中には無い形での商品化となったのです。シービュー号のキットは緑商会以外
にもコグレから発売されましたが、オリジナル要素が強い商品内容でした。
メビウス製 1/350完成品
元はプラモデルだったものを塗装済み完成品としてリリースしたもので
誰でも手軽に出来の良いシービュー号を手に入れる事が出来る様になりました。
メビウスは完成寸法が1mオーバーもある1/128スケールのプラモデルも発売。
こちらもファンには大きな話題となりました。
↓これは化粧箱を保護する役目もある箱カバーとも言うべきもので
上にあるウィンドパッケージを収納しています。
2009年発売/定価:$?
左舷
全長:約35.5cm
ファンにはお馴染みの艦影を高いレベルで再現。
底部にある切れ込みはディスプレイ台とのジョイント部になります。
シービュー号の全長はハッキリとは判らなかったのですが
モデル換算だと124.25mといった感じになります。
上部および底部
思った以上に細長いですね。肥大した艦首がそのイメージに輪を掛けています。
艦首底部に見えるシャッターはフライングサブの格納ハッチ。
前部および後部
シービュー号のシービュー号たる所以である艦首展望窓と
艦首先端のライトにはクリアパーツを使用。
後部のフィンはY字+水平と特徴的なものに。
ノズル内にはペラ4枚からなるスクリューの姿も見えます。
完全ディスプレイモデルなので売り物であるスタイリングは抜群なものに。
セイル&後部上甲板
1/350スケールとはいえ結構細かなディティールが再現されており、
その辺も見所の1つとなっています。
↓セイル後方には合計20基のVLSを装備。
艦首底部
残念な事にハッチ開閉、フライングサブ格納といった遊びの要素は無し。
この辺は先述の同社による1/128スケールプラモで再現されています。
方向舵が可動
これが本モデル唯一のギミック。
Y時フィンの先端にあるランプもクリアパーツで再現されています。
付属のディスプレイ台
海底を模した台座が付属。
内箱にあるイラストを背景に飾れば雰囲気もグッとアップします。
30cmオーバーという納得のサイズとスタイリングを誇る本モデル。
個人的にはこのサイズ&スタイルでもう少しギミック的に楽しいものが欲しいですね。
童友社製 プラモデル
これは90年代に再販されたもので元は緑商会からTV放映当時に発売されたもの。
数種類発売された中では最大の物で本来はモーター動力で自動浮沈航行したのだが、
復刻再販にあたってはオミットされてディスプレイモデルになってしまった。
その代わりにICサウンドユニットが付属、潜航音がするギミックが付きました。
他にもムギ球使用で艦首部の展望窓が発光可能だ。通称はビッグ・シービュー号。
定価:¥5000
ボディパーツ
ボディパーツの全長は約40cmと大迫力ですが流石に現在の目で見ると
若干寸詰まりかな?でも当時これを買って貰った人はホント幸せモノだと思います。
画像は先のメビウス製モデルとの2ショット。
組み立て説明書より
ミニサイズのフライングサブが付属し、艦首底部に格納可能です。
格納庫のハッチが開閉するのが嬉しいですね。
付属のフライングサブはイマイチのプロポーションですが
キャノピーがちゃんとクリアー部品だったりと高級モデルらしい配慮が見られます。
ユニオン製 プラモデル
全長:約30cm
これも元は緑商会が当時発売したものの復刻版。ビッグ・シービュー号の次に大きい
モデルで、やはり当時はモーターで自動浮沈航行可能でした。
83年にスティングレイと共にユニオンから突然復刻されたのですが…
スティングレイは当時同様にモーター動力で自動浮沈航行可能な完全復刻版だったのに
シービュー号はディスプレイモデルにされてしまいました(涙)
画像は87年にユニオンが2度目の再販をしたものですが…今回はナント!
やはり緑商会から当時¥50で販売されていた
通称「ベビー・シービュー号」がオマケに付属しています!
しかもこちらは当時同様にゴム動力で航行可能!
個人的には狂喜乱舞でした(笑)
パッケージには「次回91年生産予定」との予告入りで、実際に再販したのですが
この時はベビー・シービュー号は付属しませんでした…(泣)
組み立て説明書より
やはりフライングサブが付属するのですが…
上のビッグ・シービュー号と違い艦首底部にそのままハメ込む方式でチト残念。
何よりビッグ・シービュー号に付属のフライングサブよりデカイというのが…(謎)
オマケのベビー・シービュー号!
全長:約15cm
期せずして入手出来たベビー・シービュー号。嬉しかったなァ!
フライングサブ
ツクダホビー製 プラモデル
1/60スケール 全長約17cm
元は米のオーロラ社が当時発売していたもので倒産後にモノグラムから再販、
日本にも輸入されていたので割りと目にする事が出来ました。
画像は恐らく今のところ最後の再販版で80年代後半〜90年代にかけて
ツクダホビーが主体となって輸入販売されたものと思われます。
キットは内部構造が再現されており完成後も船体上部を外して楽しむ事が出来ます。
当時のオーロラのSFキットにはよく見られたギミックで「巨人の惑星」の
スピンドリフト号や「インベーダー」のUFOにも同様のギミックがありました。
パッケージより
パッケージにある完成品写真を見ると素晴らしいプロポーションですね!
これは楽しい!まるで撮影用のセットみたいで
劇中の雰囲気が良く伝わります。でもちょっとスカスカかな?
後部には搭乗用ハッチも見えます→
オーロラ社からは勿論シービュー号も発売、
数年前にポーラライツ社より再販されました。
フィギュア王によるとREMCO社から
当時プラトイが発売されていたとの事で
写真も掲載されていてビックリ!
入手は…ムリだろうなァ(笑)