登場作品:惑星大戦争(1977)
THE WAR IN SPACE
全長:157m/全幅:31m(最大幅53m)/最高速度:光速の90%
(劇中設定より)
バンダイ製 東宝マシンクロニクル2
バンダイのトレーディングフィギュア「東宝マシンクロニクル」の第2弾。
それまで中々立体化に恵まれなかったメカをラインナップしてくれた有難いシリーズで
1弾で終わる事なく2弾がリリースされたのは嬉しいサプライズでした。
因みに本商品では「地球防衛艦 轟天」と表記されています。
2004年発売/定価:350円
SIDE VIEW
全長:約11.1cm(約1/1414スケール)
オリジナルである海底軍艦・轟天号のリメイク的な存在である「惑星大戦争」と轟天。
とはいえオリジナルから引き継いだのは艦首のドリルくらいで艦全体は潜水艦ベースだった
オリジナル轟天に比べ今回の通称‘惑星轟天’は「宇宙戦艦ヤマト」の影響を感じ取れる
アニメメカ然とした艦影。 煙突の様な部位まで備えた解り易いものとなっています。
TOP & BOTTOM VIEW
艦橋部の前後に装備された5基の連装砲が戦闘艦らしさを演出していますが
大型艦で想起しがちな巨砲としなかった辺りはデザイナーの美学か?
思えば東宝、或いは円谷系のメカに巨砲を装備したものって案外無いですね。
情報量の多い上部に対して底部のそれはごく控え目。
劇中モデルを見ると艦首から艦尾に掛けて中央に赤いラインが入っている様です。
FRONT VIEW
ドリルの上にある艦首レーザー砲は少々デカめに造形されていますが…まぁ無問題ですね。
劇中では艦首両舷に姿勢制御用スラスターがあって艦首の向きを変更する際に噴射煙が出る
という意外とリアルな演出も。 艦首底部には逆噴射用のスラスターも装備しています。
劇中プロップは3mのものと1mのものが造られたそうで、スクリーン上で迫力ある姿を
拝む事が出来ます。本モデルは小サイズですがプロポーション&ディティール、そして
後述するギミックも含めて逸品と言っても良い出来! 第1弾のオリジナル轟天が
イマイチな出来だっただけに、この惑星轟天の高い完成度には殊更嬉しかったりです。
REAR VIEW
曲面を主体とした艦首に対し平面主体の構成とした艦尾。
艦尾上部にある3基のエンジンは宇宙航行時に使用するもので、劇中ではイオンロケット
と明言されているもののウィキペディア等を見ると‘ラムジェット’とあります。
正確にはラムスクープによるバサード・ラムジェットであると思うのですが
ここは難しい事を考えず劇中通り‘イオンロケット’で良かった様な気がします。
因みに目的地である金星までは10日程度で到着する様です。
艦体中央両舷には上昇用の大型スラスターが張り出しており、劇中ではここから盛大に
噴射煙を出して見た目の面白さや意味不明な格好良さを演出していました。
ACTION
劇中通り後部スタビライザーが展開可能。大気圏内でも宇宙空間でも使用していました。
差し換え式としなかった点は大いに評価したいところですが少々緩いので
どちらの状態にしても固定し難いのが玉に瑕です。
リボルバー式カタパルト展開!
艦首両舷のハッチが開閉可能。内部のリボルバー式カタパルトが顔を覗かせます。
リボルバー式カタパルトは収納用と展開用の2種が付属。
画像上は収納用、画像下は展開用を取り付けたところになります。
劇中ではリボルバー式カタパルトから搭載されたスペースファイターが射出されます。
また同部位はレーザー砲にもなっており、リボルバーを回転させながらこれらを
射出&発射する様は劇中に於ける当艦の大きな見せ場の1つとなっています。
他にも煙突部からは航空爆雷を発射。地球に飛来した敵機はこれで全滅させていました。
また艦橋部両サイドにはアクティブレーザーミサイルという一寸意味不明な武器も装備。
金星上の決戦でバンバカ撃っていましたが少々火力が前方に集中し過ぎちゃってるかな?
艦首ドリル型爆弾、発射!
劇中クライマックス、敵の大魔艦を倒す為に発射された轟天の切り札を再現。
艦長である滝川自らが乗り込んで操縦・特攻したのは良しとしても
宇宙のエーテルをも破壊する威力を秘めた爆弾ってのは正直どうなのよ?
結果、金星もろとも爆破しちゃってるし…。
ディスプレイ台も付属
少々座りは悪いのですが有難い付属品です。
第2弾ラインナップ
轟天だけ年代的に少々浮いているかな? 1弾で漏れちゃったんで入れました的な。
因みに1弾でラインナップされていたスーパーXと今回の轟天は共に井上泰幸氏の
手によるデザイン&造形だそうで、現役時代の長い方だったんですね。
クラウン製 1/550プラモデル
東宝マシンクロニクルが発売されるまで恐らく唯一のマスプロ商品だった本品。
箱画には大魔艦も描かれており良い雰囲気なのですが肝心の商品はというと
普通の潜水艦の艦首にドリルを付けただけの劇中とは似ても似つかぬ残念モデルに…。
←組み立て説明書
ゴム動力で自動浮沈航行可能。潜水艦として遊べるのは良いんですけどねぇ。
うむ、惑星轟天 カッコ良し!
森田健作と浅野ゆう子以外の主要メンバーは大概戦死。
ドリル爆弾(と金星)を失い、深手を負いつつも勇躍地球に帰還する轟天…
う〜ん、いよいよ以てヤマトっぽいか!?
惑星轟天はアニメメカに影響された部分もあるかと思いますが
実写映像にも耐え得る格好良さを持ち、東宝メカらしい奇想天外なアイデアと
ケレン味のある演出によってスクリーン上で見事に光り輝いていたと思います。
作品内容に関しては極端に短かった製作期間の影響が其処彼処に現れているのが
何とも残念でした。ジックリ作り込んでいればもっと良い作品になったと思う反面、
「スターウォーズ」が公開された後では遅いと考えたであろう田中友幸氏の判断が
間違っていたと思えないのも事実…寧ろ短期間でここまでのものを作り上げた
スタッフの情熱をもっと評価すべきなのかもしれませんね。