プロテュース号

(プロテウス号)

登場作品:ミクロの決死圏(1966

 

 

アメリカ海軍・研究開発部のオーエンス大佐が中心となって設計された

原子力潜水艇プロテュース号の目的地は海底などではなく人体の内部だった!

映画「ミクロの決死圏」で表現された人体内部の映像は実に幻想的なもので

観る者は登場人物達と共にプロテュース号に乗り込み人類初となる

このfantastic voyage(原題)へと旅立ちます。

 

 

 

 

そのデザイン

 

*  史上最小潜水艇?プロテュース号

プロテュース号は設計主任であるオーエンス大佐によると元々深海魚を調査する

目的で建造された小型潜水艇で、大きな特徴である船首の展望窓は左右180度と上方

の視界を、更に上部に設けられた操縦席を覆う半球状のドームも良好な視界を確保。

このデザインは作劇に於いて大変有効に活用されていました。

 

動力は原子力で、両舷に設けた水流機を動かし前方から取り込んだ水(劇中では血液)

後方へ噴射する事により推進。潜舵は左右のノズル間に、方向舵は垂直尾翼の内部に

配置しています。取水口は船首下部にもありますがこちらは原子炉用のものと思われ

ボディの原子炉によって左右の水流機を動かすという機構では?と解釈しています。

 

外観的には他にも上部にある搭乗用ハッチ後方にシュノーケルを、底部には

減圧室から船外に出るハッチや着底用に伸縮式のランディングギアを装備。

全体的には宇宙船の様な外観を持った潜水艇となっており、劇中で宇宙空間の如く

幻想的に表現された血管内部の映像にとてもマッチしていました。

 

因みに型番はU91035。劇中、吹替版でも「プロテウス」と呼称されていますが

個人的な思い入れもあって「プロテュース」表記としました。

 

 

*    その内部描写も大きな魅力!

オーエンス大佐自らが操縦する操縦席もまた魅力的なものとなっています。

最上部にあるドームに覆われた操縦席はユニットごと左右に360度近く回転可能で

座席左右のアームにあるジョイスティックと左右のフットペダルで操縦。

コンパネ中央にはモニターがあり、操縦席直下にあるチャートテーブルにセット

されたチャート図がそのまま映し出される仕組みとなっています。

チャートテーブルを使うのは航海士(に当たる人)なのですが使用時は前方に

背を向ける格好になるのが設計的(画的)に少々残念なところ。

尚、チャートテーブル下には座席が2つ備えられており引き出して使用します。

 

チャートテーブルの左、操縦席の左下には通信席があるのですが劇中では

音声通信ではなくモールス信号?での通信となっていました。

操縦席の後方下部には減圧室、更にその後方には隔壁越しにシンクまである

小部屋が設けられており劇中では医療用レーザ銃の修理等が行われていました。

5人が搭乗するという事もあり小型潜水艇にしては広い艇内設計となっていますね。

他にも左右の壁にはベントのバルブを、右後方の壁にベントに関する電源版を配置。

それぞれ劇中で1回はスポットが当てられています。

 

 

 

 

…で、玩具

 

コメット製 メタルモデル

英国のガレージキットメーカーであるコメット社から展開されていた小サイズの

メタルモデルシリーズの1品で他にもシービュー号やサンダーバード等の

アンダーソンメカが手広くモデル化されていた様です。正確な発売年度や価格は

不明ですが80年代後半〜90年代前半にかけて日本国内のホビーショップでも

見かけた覚えがあるのでそんな頃ではないかと。シービュー号など少数の部品から

なる組立てモデルもありましたがプロテュース号は1発抜きとなっています。

 

?年発売/定価:?

 

 

左舷

全長:約4.8cm

 

如何にも60年代辺りのSF映画に出てきそうな宇宙船然としたデザイン。

詳細な設定は不明ですが全長は10mちょっとと言った感じ。

劇中、第1段階で縮小された場面が丁度本モデルのサイズっぽいので

ある意味1/1スケールモデルと言えるかも?

 

 

上部および底部

ボディ外縁はフィン状となっており両舷に1基ずつ水流機を装備。

(劇中ではこの部分をエンジンと呼んでいます)

基本的に原子力による水流ジェット方式で水流機から後方に伸びた水流管の先に

ノズルがあります。また底部には船外に出る為のハッチや着底用に伸縮式の脚が

あるのですが残念ながら本モデルのディティールはそこまでフォローしていません。

 

 

前部および後部

シービュー号を想起させる船首の大型展望窓は劇中の画作りに大いに貢献。

劇中でもスポットが当たる取水口は船首下部と左右の水流機前部に配置。

探照灯は船首でなく上部にある操縦席を覆うドームの基部全周に装備しています。

モデルの造形は雰囲気のみを味わう方向で楽しみたいですね。

透明レジンで抜いたものを塗装すると面白いかも。

 

 

メビウス辺りからプラモ出ないかな?

公開当時にマルサンからモーター走行するプラモが出ていたんですが

現在となっては大変高価なプレミアが付いており入手は困難。

それ以外は後年になって本モデルやレジンキットが海外で発売されたくらいで

意外と立体化に恵まれていないんですよね…(涙)

 

 

 

 

バクテリアサイズに縮小され血管内に侵入し

乗組員を目的地まで運ぶのが任務なので

戦闘など派手な動きはありませんが

丁寧にデザインされた船内・外と乗組員の

描写の細かさによって大きな魅力を放った

プロテュース号。最期は破壊されてしまい

ましたが後に本作をベースとしたTVアニメ

「ミクロ決死隊」も制作されていました。

 

 

 

 

入り口へ戻る  ロビーへ戻る

 

 

inserted by FC2 system