空飛ぶ円盤

FLYING SAUCER

登場作品:世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す(1956

EARTH vs. THE FLYING SAUCERS

 

 

 

 

フルタ製 食玩

レイ・ハリーハウゼンフィルムライブラリー

リアルフィギュアコレクション Vol.1

「ダイナメーション」と呼ばれたストップモーションアニメで数々のクリーチャーを

SF&ファンタジー映画に登場させたハリー・ハウゼン。そのクリーチャー達を

ミニフィギュアにした食玩シリーズがフルタより全10種+αで発売。

ただ一般的には微妙な題材故か残念ながらVol.2以降は展開されなかった様です。 

 

2002年発売/定価:300

 

 

商品全容

パッケージを見るとシンドバット・シリーズ中心のラインナップかと思いきや

実のところ「アルゴ探検隊の大冒険」方が点数的に多かったりします。そんな中に於いて

「世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す」からも1品エントリーされました。

 

商品の主役は「円盤人」と呼ばれる異星人なのですがオマケ?として彼らの円盤も立体化。

同じ頃X-PLUSよりコールドキャスト製によるハリー・ハウゼン関係のフィギュアが

展開されていましたが確かこの円盤は立体化されていなかったと記憶しています。

 

…なので2012年現在、唯一の立体物という事で貴重な存在かも?

あ、当食玩の製作協力にもX-PLUSの名が記されていました。

画像右端のカードの裏面には作品データが記されています。

 

パッケージには「エイリアン」と表記され本国的にも‘ALIEN’なのでしょうが、

ここでは日本で何時の間にか定着した「円盤人」というフレーズを推していきます!

 

 

SIDE VIEW

全長(直径):約2.2cm

 

This is 空飛ぶ円盤’といった感じのシンプルなデザインはレイ・ハリーハウゼン

自らの手によるもので、撮影用プロップはレイの父親が制作したそうです。

 

モデルは劇中に比べもう少し上下厚が薄いのですがそこはそこ、飽くまで商品の

主役である円盤人の添え物としてのモデル化なので気にする所ではないですね。

ミニミニサイズですが有り難味のあるモデルです。

 

因みに3種類の劇中モデルも最大の物で直径30cm程だそうで案外小型だったんですね。

 

 

TOP & BOTTOM VIEW

これまたシンプルな上・底部。

劇中では中央部と外縁部の間の部分(6つのスリット?がある部分)のみが回転します。

撮影用プロップは上下で自由に回転出来た様なので時として上部と底部で

回転方向が逆なのでは…と思えてしまう場面も。また底部中央からは

パラボラアンテナの様な武器が出てきて怪光線を発射!人類を恐怖に陥れる事に。

モデルの底部中央には台座と接続するシャフトを差し込む穴が開いています。

 

 

空飛ぶ円盤、脅威のテクノロジー!

劇中では数回着陸シーンがあるのですが本機にランディングギアは無く、

底部中央部分が下方にスライドしてこれを着陸脚として使用していました。

スライドして現れた円筒形部分には出入口があり、ここから円盤人が登場。

 

円盤人の身を守る為か円盤外縁部まではバリアが張られており(上図の赤線の範囲)、

人間側の如何なる攻撃も受け付けないのですが、そこから一歩でも外に出ると円盤人は

通常の銃器で簡単に倒されていました。(しかも案外簡単にバリア外に出ちゃうんだよな)

 

ハリー・ハウゼンは本作に於いてこの円盤の動きをコマ撮りにて撮影。

吊りによる操演やモデルを固定してのカメラワークではない独特の動きは

観る者に不思議な感覚を与えてくれます。

 

 

円盤人(エイリアン)

ハリー・ハウゼン作品に登場するクリーチャーといえば所謂コマ撮りなのですが

本作に登場する円盤人は着ぐるみ仕様で、中に入った役者によって演じられています。

 

画像の円盤人は異星人の宇宙服であり、劇中では死体となった円盤人のヘルメットを

人間が脱がすと中から醜悪な異星人の顔が現れる…といったシーンもあります。

その後ヘルメットを調べた結果、内側からは外側をほぼ全周見渡す事が可能だったり

翻訳機が装備されていたりする事が判明します。(但し人間が被ると歪んで見える)

 

先にも記しましたが円盤人はバリア外であれば普通の銃器で簡単に倒せますが

円盤人の両手からは円盤と同種と思われる強力無比な怪光線が発せられ、

これを喰らうと人も物も跡形も無く消えてしまいます。

 

モデルの方はデザイン上、ラインナップ中で最も簡単な造形といえるのですが

そこに胡坐を掻いたのかヘルメットの正面にゲート痕があったりパーティングラインが

目立ったりと仕上がり具合は正直、今一歩。両腕も下方に真っ直ぐ垂らした方が

劇中のイメージに近いですね。他のラインナップの造形が良さげなだけに残念至極!

 

 

その後、遂に単独で商品化!

 

アトランティス製 プラモデル

ポーラライツやメビウス、ペガサス等に続いてこのジャンルに参戦のアトランティス。

外観的特徴の少ないメカだけに商品化の報を知った時はかなりの驚きでした。

パッケージデザインも当時のポスターっぽくて実に良い感じ。

因みに商品名は‘アタックソーサー ATTACK SAUCER'となっています。

 

組立てレベル1の対象年齢8歳以上という敷居の低い本モデルは

日本でも2015年1月に輸入販売されました。

 

パッケージサイズ:約23cm×15cm×5cm

 

2014年発売/輸入参考価格:4212

 

 

組立て説明図とパーツ群

パッケージの裏面が組立て説明図となっています。

パーツ数は5+LEDユニットと実にシンプルでランナーも無し。

流石スキルレベル1と言ったところ。

 

 

LEDユニット(電池付き)

ユニット内に付属のボタン電池×3を入れてユニットを捻るとスイッチオン。

構造上、ユニットを光らせた後に円盤を組立てる格好に。

円盤本体を構成する上下のパーツは嵌め込み式なので電池交換も安心です。

 

 

ふと見上げると南の空に光る物体が…

劇中イメージとは無関係に青と黄の光が交互に激しく点滅します。

あれ、待てよ…という事は塗装すると発光ギミックが死んじゃう?

 

 

SIDE VIEW

直径:約12.5cm

 

当然ながら先述のフルタ食玩版より高レベルな再現度。

大きなモデルではありませんがこれだけあれば充分でしょうね。

 

 

襲撃セヨ!

円盤下部には劇中にもある破壊光線砲を取付けられます。

また、付属のディスプレイ台を使えばこの状態で飾る事も可能です。

 

 

着陸セヨ!

破壊光線砲の代わりに着陸後の乗・下船時に使用するランディングチューブを

取り付ける事も可能。 説明図には接着せよとありますがパーツには多少の弾力があるので

差し込むだけでも全然オッケーでした。

 

そっか‘ランディングチューブ'って言い方があったんだ…と、暫し関心したり。

 

 

付属の背景カード

モデルには画像の様なホワイトハウスを望む広場の背景カードが付属。

ご丁寧に円盤の影まで印刷されています。

 

ホワイトハウス前に着陸の図。

こうなると円盤人も付属させて欲しかった!

 

と、言う訳で塗装してマジに作るも良し、玩具感覚で楽しむも良しの本モデル。

中々おススメのアイテムとなっています!

 

 

DVD!

本作は本来モノクロ映画で、DVDもモノクロで発売されていたのですが2010年に

レジェンドフィルム社によってコンピューター着色されたカラー版が登場。

改めてモノクロ版と同時収録したDVDが発売されました。(画像がそのDVD)

 

着色に関してはハリー・ハウゼン自身がカラー指定したという納得仕様で、

着色具合も芝生が妙に緑々している以外はビックリするほど自然な発色となっており

一度カラー版を観てしまうとモノクロ版が観られなくなっちゃいそうです。

 

母星を失った異星人は新天地として地球を選ぶ。地球の支配者たる人類に対し

圧倒的な武力と科学力を持ちながら効率の良い征服を考えた異星人は話し合いによる

人類側の降伏を求めワシントンに偉いさんを集める様、主人公・マービン博士に要求。

 

異星人が与えた猶予期間に首尾良く対抗兵器を完成させたマービン博士達は

攻めてきた異星人との全面戦争に打って出た!(原題直訳:地球vs空飛ぶ円盤群)

…というのが大体の筋。内容的には一見如何にも50年代っぽいご都合主義の

SF作品に見えますが異星人は地球人と時間の感覚が異なる事を強調したり

高周波だか何だかで円盤の推進力である磁場を中和させ墜落させるといった

アイデアと円盤の独特の動きは数あるSF映画に於いて強い個性を持たせる事に成功した

様です。後年になって制作されたティム・バートン監督による「マーズアタック!」

でもオベリスクが破壊されるシーン等に本作品へのリスペクト具合を伺う事が出来ます。

(というか「マーズアタック!」自体が本作品のリメイクの様な気もしますが…)

 

レイ・ハリーハウゼン自らも登場するオーディオコメンタリーが収録された

モノクロ/カラー版DVD、オールドSF映画ファンは‘買い’です!

 

 

 

 

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