登場作品:日本沈没(2006)
小松左京原作の「日本沈没」が1973年に続き再び映画化されました。
主役に人気アイドルグループSMAPの草g 剛を迎えた今回の映画、
劇中のセリフ「奇跡は起きます、起こしてみせます」をキャッチコピーに
1973年版とも原作とも違った「日本沈没」を展開しました。
2006年7月15日公開
わだつみ6500&2000
1973年版 日本沈没では架空の潜水艇として登場した わだつみ でしたが
今回はJAMSTEC(海洋研究開発機構)に所属する本物の潜水艇‘しんかい6500&2000’を
それぞれ わだつみ6500&2000として使用、リアルな画作りを試みています。
個人的な見処はこのミニチュアやセットではない本物の わだつみ(というか、しんかい)だった
のですが、やはり海中のシーンになるとCGのお世話に為らざるを得なかった様で少し残念。
とはいえ、中盤で失ってしまう事になる現役の わだつみ6500と終盤で活躍する引退して
展示物となっていた わだつみ2000。名は変われど共に実在する しんかい6500&2000が
揃って劇場用映画に登場した、というのは一寸感慨深いものがありますね。
本作制作の報を聞いた時は昔の わだつみ に負けないSF潜水艇の登場を期待したのですが
そんなむきには2006年に於いて‘活躍する しんかい2000の映像’が見れただけでも
ヨシと納得しましょうか。これで物語冒頭に わだつみ2000のシーンを入れておけば
多少ベタではありますが一般客に対して有効な演出になったと思うのですが…。
奇跡は起きたか?起こせたか?
草g 剛ことチョナン・カン(おっと逆だ)演じる主人公 小野寺と柴咲コウ演じる
ヒロイン玲子とのラブストーリー部分に随分と主眼を置いた感のある今回の映画化ですが
何と言いますか…樋口真嗣 監督はドラマの撮れない人だなぁと言うのが観た感想でした。
そもそもこの映画に軟弱なラブストーリーなんぞ不要だと思うのですが、
ここまでのものにしないと納得しないむきがあったのかもしれませんね。
そんでもってチョナンの自己犠牲な大活躍で何と日本は全沈没を免れちゃうという
「日本沈没」の根底をひっくり返す‘奇跡’を起こしちゃう訳ですが
小松左京氏の原作や1973年の映画に比べると後には何も残らなかった感じがします。
「日本沈没(2006)」は韓国人歌手の歌う主題歌に乗せて‘突如’韓国でも公開が決まり
同年の内に公開〜大ヒットな奇跡も起こったそうで‘「日本沈没」制作委員会’
としては大成功な作品だったのかもしれませんね。
週刊文春2007年1月25日号にて発表された「きいちご賞」(※)第2位、
映画秘宝2007年3月号で発表された「2006年トホホ映画」第1位はダテではありません。
※ 米のゴールデンラズベリー賞に倣った所謂ダメ映画賞。因みに1位はゲド戦記。
タカラトミー製 コンビニ玩具D1計画篇
映画公開に合わせる様に発売されたものでファンにはお馴染みとなってきた
‘タカラ・マイクロワールドシリーズ’のひとつ。
全10種でシークレットは しんかい6500。
定価500円
わだつみ6500 左舷
全長約7.5cm(マニュピレーター含)
名前以外は実在の潜水艇、しんかい6500そのまんま故に説得力は最強か(笑)
スケールは1:144です。
上・底部および前・後部
商品の基本的な作りは優秀なのだが組立と塗装に関して
若干の不満箇所があるのがこのシリーズの特徴。
それでもシリーズ毎に進歩してはいると思うのですが…。
わだつみ6500(しんかい6500) 要目
全長:9.5m/全幅:2.7m/全高:3.2m/重量:26.7t
耐圧球:チタン合金製・直径2m
最大潜航深度:6500m
速力:2.6ノット
通常潜航時間:8時間
ライフサポート時間:129時間
ペイロード:200kg
乗員:3名(パイロット2名、同乗者1名)
AタイプとBタイプ
画像右下の様に わだつみ6500は2種ラインナップ。
岩壁を模したディスプレイ台のBタイプは起爆装置も再現!(画像右上)
小野寺の同僚であり親友、結城(及川光博)は‘一気呵成に’沈み行く日本を救う為に
田所博士(豊川悦司)指示の下、単身 わだつみ6500で潜航するも結果ミッションは失敗。
結城の命と わだつみ6500は深海に消えてしまった…。
これ、使えませんか?
田所博士の下に戻った小野寺は展示物であった わだつみ2000に光明を見出す。
わだつみ2000(しんかい2000) 要目
全長:9.3m/全幅:3.0m/全高:2.9m/重量:23.2t
耐圧球直径:2.2m
最大潜航深度:2000m
速力:3.0ノット
通常潜航時間:6時間
ライフサポート時間:80時間以上
ペイロード:100kg
乗員:3名(パイロット2名、同乗者1名)
タカラトミー製 コンビニ玩具D2計画篇
基本的な仕様はD1と同様。
劇中後半に登場するメカを中心にラインナップされました。
全10種でシークレットは しんかい2000。
定価500円
わだつみ2000 左舷
全長約7cm(マニュピレーター含)
勿論モデルは しんかい2000で わだつみ6500同様説得力充分な格好。
スケールは 1:144となっています。
上・底部および前・後部
しんかい2000が登場したのは1981年。
しんかい(わだつみ)6500と並べるとやはり時代を感じますね。
このシリーズの商品は概ね細かい部品を本体に取り付ける作業が必要とされるので
組立てにはちょっとした技術と細心の注意を要します。
Aタイプ(左)とBタイプ(右)
わだつみ6500同様2種類の わだつみ2000がラインナップされています。
先述にもある展示場を再現したBタイプは飾るに相応しい仕様!
海洋調査船 なつしま
わだつみ2000の母船であり実際しんかい2000を運用していた船舶で
クライマックスに勇躍登場、見事本商品D1篇にラインナップされました。
全長約9.6cm(クレーン含まず) スケールは1:700です。
なつしま 要目
全長:67m/全幅:13m/総トン数:1739t
機関:ディーゼル850馬力×2
航続距離:10800マイル
乗員:55名(うち乗務員37名、研究者18名)
船体後部には極小の わだつみ2000がクレーンに懸架されている芸コマぶり。
組立ても結構めんどいゾ!
Aフレームクレーン!
D2篇では何と なつしまの後部にあるAフレームクレーンまでも商品化。
同シリーズの わだつみ2000を懸架させ劇中のシーンを再現させる事が可能だ!
う〜ん、スゲェ商品展開…。
※残念ながら しんかい6500の母船である‘よこすか’は劇中登場せず。
この後おおすみ型輸送艦‘しもきた’も発売
するほど力の入った商品展開が行われた
2006年版「日沈」。潜水艦(艇)が活躍する
劇映画を撮る事は困難な部分もあるでしょうが
これだけの商品を出せるに相応しい映画作り
というのを次の機会に期待したいと思います。
切り札‘N2爆弾’を起爆せんとするクライマックスを再現!
(わだつみ2000 Aタイプ)