ノーチラス号

 

登場作品:海底二万哩

速度:30ノット(水中)

排水量:1500トン

 

 

1954年制作のディズニー映画「海底二万哩」はその後のSF潜水艦作品に

多大な影響を与えました。J.ベルヌによる原作は19世紀に書かれたSF海洋冒険活劇で、

その映画化である本作は主役である潜水艦「ノーチラス号」の航海をダイナミックに展開した名作です。

 

 

 

 

そのデザイン

 

*  鋼鉄の巨大魚!

…の様な外観は全身リベットだらけで複雑な面構成も重なってかなり情報量の多い

デザインです。艦首から十字に展開される棘の様な衝角や艦橋などは後のSF潜水艦に

影響を与えるアイデアで、透明な半球状の部分等を見る度にノーチラスを連想してしまいます。

船長であるネモと乗組員は世捨て人で、まだ潜水艦の技術が確立していないこの時代に

(舞台は19世紀)このノーチラス号で海を支配するその姿を観る度に

自分も乗組員になりたいなァ…なんて思ったもんです。

 

*    時は1868年

米国政府から「怪物」の調査依頼を受けたアロナクス教授は3ヶ月半後の12月半ば、

怪物「ノーチラス」に遭遇。その攻撃を受け海に投げ出され漂流していた処を結果的に

ノーチラスに救助され、以後二万哩に渡る脅威の航海が始まる…というのが導入部。

ノーチラスの魅力はその外観も然る事ながら艦橋を始め機関室や動力室といった内部の

セットを細かく再現、ステップを昇降して変わる場面の一つ一つで展開されるドラマに

まるで自分が本物のSF潜水艦ノーチラス号に乗っている様な気分を味わえる事です。

 

*  1954年、ノーチラス進水

J.ベルヌが「海底二万哩」を執筆した1867年当時の潜水艦はまだ人力で動くものしか無く、

1879年にようやく初の動力式潜水艦「リサーガムU」(英)が登場。時は流れて1954年、

「海底二万哩」が公開された同じ年に世界初の原子力潜水艦「ノーチラス」(米)が進水、

竣工しました。何か符合めいていて面白いですね。

「海底二万哩」は本作が2度目の映画化になります。最初の映画は1920年代に作られた

白黒無声映画でノーチラスも割りと普通の形をしていました。

初の水中撮影を行った映画らしく浅瀬ですが水中の映像が延々と流れるシーンは

当時から見ればファンタジックな映像だったのかもしれません。(DVD有り)

また、本作以降もTV映画などで映像化されたりしています。

 

 

 

 

…で、玩具

 

X―プラス製 プラトイ

2001年頃発売されたものでブリスターパックながら30cmを超える大型モデルです。

当初はトイザらス等で良く見かけたものの生産数がそれ程多くなかったのか

現在では結構なプレミアが付く事もしばしば。

 

左舷

全長約37cm

その再現度たるや「見事」の一言。

艦橋の窓や舷側中央にある展望窓はクリアーパーツで出来ており、

上下にあるハッチや全身に施されたリベットなど実に隙が無い。

 

上部および底部

艦首両舷にも衝角がある。

左舷画像にもある様に上下にも装備され目標とする船の船腹目掛け海面ギリギリで突入し、

これによって相手の船体を破断させる訳だ。

時代設定のせいか魚雷等は装備されていない。

 

また両舷前後に潜舵を装備しており、モデルでは可動させる事が出来ます。

 

前部および後部

この凶悪なツラ構えで次々と船を沈めるノーチラスとネモ船長に、

その正体を知らない陸の人は「海の怪物」と恐れ慄く。

 

推進器は5枚スクリューの1軸推進とオーソドックスで原作によると燃料はナトリウムらしい。

映画では動力室から怪しげな光が発しており「未知の力」を表現。

これは時期的にも暗に原子力を想起させる。

 

艦橋付近

意外と複雑な面構成。

半球状の窓がポイントで、夜間に光る窓はさながら怪物の眼の様だ。

艦首から伸びる衝角は艦橋まで及び、これをガードする。

 

右下に見える潜舵を下げ舵にしてみました。

 

艦橋後部

艦橋後部にある小さな四角い窓にもクリアパーツが使用されていて、

その仕事の細かさに関心させられる。

 

左下に見える潜舵がちょっとブ厚いのですが、まァ気にしない気にしない(笑)

 

左舷展望窓および艦首底部

中央にある大きな部屋のシャッターを開けるとこの窓から海中を展望する事が出来る。

ネモ船長至福のひと時であり、またここでその最期を迎える。

 

展望窓は右舷側にもあり部屋はかなりの大きさを占める。

底部には減圧室?から船外に出る為のハッチがあり、

やはり劇中で何度か使用され海底作業を行った。

 

後部上甲板

搭乗ハッチもしっかり再現。その先には小型の上陸艇がセットされている。

残念ながら取り外しは出来ないが劇中では浮上シーン用に原寸大のセットが造られ

この上陸艇も使用された。原寸大のセットが織り成すドラマはノーチラスの存在感をUP、

その臨場感は最高だ!

 

左下に見えるのは後部の潜舵で、やはり可動する。

 

後部推進器付近

魚の尾びれの様な方向舵がまた「海の怪物」を思わせる。

劇中では壊れた舵を海中で修理するシーンで原寸大セットが登場しました。

 

商品では大型モデルらしく潜舵と共に方向舵も可動する。

 

台紙のイラスト

故 小松崎茂画伯によるもの。

お馴染みのサインには2001年とあり、画伯は同年12月7日に旅立たれた。

かつてに比べると流石に往年の筆力を見る事は出来ないが、

それでも画伯の夢想力は最期の最期まで衰えていなかった事が判る。

世界で1番好きな画家でした。

 

台紙の裏は同イラストのモノクロ版となっていて、

ロットによってこのカラー版と表裏が逆になったものがある。

当館所有のものはカラーが表なのでプリスターの跡が…(涙)

 

セガ製 プライズ

全長約22cm 塩ビ製。

X−プラス製のものを縮小した様な出来の良さで、

当初はこのセガ版を展示していました。

 

2ショット

 

ボールペン

全長約15.4cm

東京ディズニー・シーで販売されたもの。

なかなか良く出来てますね〜。

 

 

 

 

かつては米国のオーロラ社と日本の河田より

プラモデルが発売されていました。

今となっては入手困難ですが、ここで紹介したもの

でも充分、満足出来ます。ノーチラス号そのもの

よりも「海底二万哩」という作品自体に大変価値が

あると思うので未見の方はゼヒご覧になって、

ディズニー・シーの水面に浮かんでいる

ノーチラス号もゼヒご覧になってみて下さい!

 

50年以上前ですよ…

 

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