〜ふしぎの海のナディア版〜
登場作品:ふしぎの海のナディア
全長:152m
速度:108ノット
1990年4月13日から放映された「ふしぎの海のナディア」はそれまでのNHKアニメからは
明らかに異質な作品となりましたがその後現在に至るNHKアニメの先駆けとなりました。
ノーチラス号は物語前半で大活躍。アニメ作品の中で潜水艦をここまで真摯に描かれた事は
非常に稀だったので出来ればもっと長く活躍して欲しかったです。
設定では1888年6月21日進水
ノーチラス号は古代アトランティス人(宇宙人)の宇宙船をネモ船長達が
10年以上の歳月をかけて潜水艦に改造したもので、艦橋から後部甲板にかけての
部分とそれ以外の部分では使われているテクノロジーが違います。
豊富な装備に未知の機関
ノーチラス号の装備は飛行爆雷や対雷撃防御用のホムガード、深海作業用の潜水球等
劇中に登場する物だけでも豊富。その動力も原子力をはるかに通り越した
「常温対消滅エンジン」による水流ジェット推進方式で実に108ノット
(約時速200km 水中か水上かは不明)を叩き出します。最大の特徴は
艦橋から後部甲板にかけての「メインブロック」がそれ以外の「戦闘ブロック」より
分離、独立して航行可能な事で、これによりネモ船長達は最大のピンチを切り抜けました。
ガンダムから10年…
80年代のアニメはガンダムに始まった「メカを よりリアル(っぽく)にデザイン、
演出する才能や技術」を伸ばしていった10年だったのではないでしょうか。
スポンサー商品(主に玩具、模型)の売上げに直結する事なので必然だったのかも
しれませんが、ともあれ作画や音楽・ファン文化に至るまで現在のアニメの基本的な
フォーマットはこの10年で完成されたと言って良いでしょう。ナディアのノーチラス号は
80年代アニメメカの総決算的デザインと演出で名SF潜水艦となりました。
アオシマ製 新世紀合金
地道にラインナップを増やしていく新世紀合金にノーチラス号が登場。
作品人気に反比例するかの様にこれまで商品化の機会にもう一つ恵まれなかった
ノーチラス号だけに、ここへ来て決定版と言えそうなモデルとなっています。
↓パッケージ裏面
本モデルカラー&付属品違いで海上イメージVer.と潜水イメージVerが存在し、
1つのパッケージで両バージョンに対応しています。
(パッケージに貼られたシールで確認可能).
2010年1月発売/定価:16800円
左舷
全長:約30.4cm
ここで展示するのは明るめのグレーで塗装された‘海上イメージVer.’。
1/500スケールとファンにも納得のサイズが嬉しい本モデル。スタイリングも
当然の様に良好でノーチラスの格好良さを堪能する事が出来ます
上部および底部
後部両舷に独立した補機を翼で繋いだスタイルは流石元宇宙船といったところ。
潜航・浮上を助けるファンは上・底部で数が異なるんですね。
前部および後部
波切り効果を期待出来る艦首形状は707辺りから拝借したのかな?
リア周りはまんま、宇宙船といった風情ですが周囲を赤くするというのは
設定通りとはいえ個人的に若干の違和感を感じるのですが…
モデルは高級玩具らしい見事な仕事ぶりでノーチラスの魅力を再現!
30cmというサイズが良いですね。立体栄えするデザインが生かされている感じがします。
艦橋&上甲板
ディズニー版の海底二万哩に登場するノーチラス号を想起させる艦橋の丸窓と
艦橋上部の窓は共にクリアパーツが使用され質感を好演出。
他の部分とは異質なイメージの上甲板も違和感無く再現されています。
↓ジャンが作ったオートジャイロを載せてみる。
実に素敵な付属品です!
底部潜水球
底部にある潜水球を取り付けるロッドは長短2種付属。
画像下・右は長いロッドを付けたところですがもう少し長い方が良かったかな?
艦尾格納庫
格納庫のハッチが開閉可能。結構ピッタリ閉じるので開けるのに若干の手間も。
↓付属する同スケールのグラタンを格納してみる。
これまた嬉しいオマケですね。
前部・飛行爆雷、発射準備!
艦首上部にあるドーム状の部分をスライドすると8ヶ所ある飛行爆雷のハッチが一斉
にオープン。閉じる時は手動になります。塗装を含め丁寧に造形・再現された内部が
楽しいのですがハッチにロック機構が無いのでプラプラ状態、ボディを逆さにすると
ハッチは勝手に開いてしまいます。尚、開く時は一斉に開かせる事が出来ますがハッチ
は1つ1つ独立しているので好みのハッチのみを手動で開閉させる事も可能です。
後部、ホムガード発射準備!
後部にあるホムガードは一寸凝ったギミックが搭載されています。
1:ハッチを下方へ押し込み、外側へスライドさせ翼内部に収納させる。
2:すると内部にあったホムガードのブロックがバネ?で上部にせり上がってくる
…といった感じで「おォ、すげェ!」と思うのですが、ハッチを閉じる時にはボディを
傾けながら収納されたハッチを引っ張り出さないといけないのでチョット大変かも。
メインブロック、分離!
劇中、絶体絶命のピンチを切り抜けたギミックを再現!
カッチリとしたロック機構は無いのでスポッと外せます。
甲板部を取り外した後に垂直尾翼のある部位を前方へスライド、
下部にある4枚の安定翼(潜舵か?)を開けば変形完了です。
メインブロックの全長は約11.2cm
潜水球の左右には潜航・浮上用の小型ファンが見えますね。
↓船長室は分離可能。
ジャンとナディア、マリー(とキング)を乗せ無人島へと流れ着く事に。
クリアパーツ越しに見える船長室は極小ながらも内部を再現。
ユーザーの感情をスーッと移入させるアオシマのGJぶりには涙が出るぜ!
付属のディスプレイ台
船体を支える2本の支柱はノーチラスの形状に合わせ左右で異なるのですが
左舷側を手前にするとどうにもシックリきません…右舷側だと良い感じなんですが
左舷側で飾りたいのが人情ってもんです。何か手違いでもあったのかなぁ?
あと贅沢を言えばネームプレートは船内にあったアレも付けて欲しかった!
付属品
先述にもあったノーチラス号と同スケールのグラタン&オートジャイロに加え
ノンスケールのグラタンが付属(画像左)。ギミックは無く車輪も回転しません。
深いブルー系で塗装された潜水イメージVer.にはネモ船長のフィギュアが付属します。
個人的には轟天号に次ぐ新世紀合金の潜水艦なので轟天と同じ1/350スケールで
発光ギミック等も欲しかったところです。ユーザーの欲求は底を知りませんね(笑)
本モデル自体は文句の無い、ノーチラス・ファンとして満足のいく1品であります!
ツクダアイデアル製 プラトイ
上記の新世紀合金版が出るまでメインで展示していたモデル。
ツクダオリジナルではなくアイデアル製なのがミソで
放映当時は発売してた事を知りませんでした。
1990年発売/定価:1980円?
左舷
全長:約26cm
寸詰まりだが玩具的デフォルメとしては許容範囲。
メカを横から見る時は大概、左を前に置くので左舷側にネジ穴があるのが痛い。
また、車輪が無いので置物状態である。
上部および底部
シルエットは悪くない事が解る。
艦橋前方に電源のスイッチがあり、切・音・音+光の順で切り替わる。
また艦橋後方の円いダイヤルで音の波長を変えられるが‘ピ〜!ビ〜!ガ〜!’
と、正直ウルサイです。説明によると「潜水音」だそうですが…
底部の前方には電池BOX、中央付近にはスピーカーが見えます。
本体色のダークグレーは子供向け玩具らしからぬシブさです!
前部および後部
潜水艦らしいフォルムがいいカンジ!
艦橋のディティールが省略されているのが悔やまれます。
ギミック!
サウンド以外にも左右の補機にはミサイル発射機構を搭載。
後部格納庫とノズル周辺が発光・点滅します。
見る角度によっては…
お、結構カッコ良いのでは?
ユージン製 トレーディングフィギュア
トレーディングフィギュアコレクションシリーズの一品で
他にナディア、マリー&キング、エレクトラ等がある。
¥500(中身は選べない)
左舷、上部および底部
全長:約15cm
サスガにプロポーションやディティールは良好(笑)
これで500円なら安いかな?
バンダイ製 プラモデル
玩具同様、これも放映時にヒッソリと発売されていました。
一時期プレミアが付いたものの再販されてからは落ち着いた様です。
初版は¥1000
画像右はパッケージ横にある完成写真。
スケールは1/700でソツなくまとまっていて、1/20のナディアが付属。
因みに商品名は「不思議の海のナディア」である。
ついでにグラタンも
ノーチラス号と共にツクダアイデアル製のプラトイ。
特徴的な4本のシリンダーアクションによる各モードへの変型や
左右の収納式マニュピレーター、BB弾が発射可能な砲塔など
荒削りながらもアクション満載の楽しい玩具でした。
左舷
全長:約20cm(スクリューまで)
これは「水上モード」と呼ばれる形態。
グラタンに潜水機能は無かったが、第10話で浮遊機雷の危機からノーチラス号を
救う為、底部に大型のバラストタンクを3本装備する等の改造が艦内で施され
潜水艇として活躍しました。
前部および後部
スクリューは「飛行モード」時の推進器を兼ねている。
走行&歩行モード
タイヤはゴム製で質感もある。
劇中のイメージを良く再現した良質な玩具だ!
原作からは相当飛躍した本作でしたが、
古今東西のSFネタをそこ彼処に散りばめ
センス良くまとめ上げた庵野監督と
ガイナックスには流石としか言えません。
またいつか潜水艦が活躍する作品を
制作される事を熱望する次第です!
おまけ:愛しのナディア姫&キング。
DVD−BOXに付属するもの。