マッハ号

(フロッガー)

 

登場作品:マッハGoGoGo

 

アニメや特撮作品には数多くの空想科学メカが登場しますが、

その中で我々が最も身近に感じるのが車やバイクといった車両関係です。

タツノコプロが1967年に制作した「マッハGoGoGo」に登場する‘マッハ号’は

空想科学車両中、恐らく5本…否、3本の指に入る名車でその知名度も抜群です!

 

 

 

 

そのデザイン

 

*  ホワイトボディ、マッハ号!

マッハ号…今更ではありますが、とにかく素晴らしい車です。

手掛けたのは初期のタツノコメカには欠かせない中村光毅 氏で、登場以来40年経った

2007年現在も尚古さを全く感じさせない奇跡のデザインです。

 

マッハ号には007のボンド・カー顔負けの‘7つの特殊装備’が施されており

ハンドル中央に配置されたA〜Fボタンで起動…説明不用ですね(笑)。

取り分け当館的なのが‘Fボタン/フロッガー’で、

これはマッハ号を水中で行動可能にする装備です。

‘Dボタン/ディフェンサー’でオープンカーのマッハ号にルーフが装備され

そのまま水中に突入、海底や川底を走行していた記憶もあるのですが

フロッガーでは水平舵やスクリュー、潜望鏡等を装備し

「潜水艇」としての機能も併せ持っています。

 

当館でも展示中の潜水艇に変形するボンド・カー「ロータス・エスプリ」が

登場したのは1977年ですから10年も先取っていたんですね。

 

*  ゆくぞ!勝利のゴールまで!

「マッハGoGoGo」はタツノコプロ制作の第2弾作品で(第1弾は「宇宙エース」)、

1967年4月2日にスタート。海外輸出を考慮しての作風は何処か無国籍風で

マッハ号も左ハンドル。純白のサイドボディに映える赤いゼッケンはまるで

この時期世界に羽ばたかんとする日本を象徴した‘日の丸’の様で何処か誇らしげ。

レースだけに拘らないストーリーは勧善懲悪アクション的な展開も見せつつ

世界中を舞台に繰り広げ視る者を魅了し全52話を駆け抜けました。

 

その後70年代には東映アニメーションや日本アニメーションと並んで

高い水準の作品を制作し続けたタツノコプロでしたが90年代に入ると失速。

人材の流出等もあったかと思いますがタツノコファンの一人としては

嘗てあった良質なタツノコ‘TV’アニメーション作品の復活を望む限りです…。

 

 

 

 

…で、玩具

 

ユニファイブ製 超真合金

バンダイが発売した超合金魂マジンガーZ以降、俄かに復権した合金玩具。

嘗て合金玩具で親しんだ世代を相手にバンダイ以外のメーカーからも

一般玩具として発売される様になり玩具界を賑わせています。

90年代末期にユニファイブはタイムボカンのメカブトンで合金玩具界へ参入。

以後タツノコメカを中心に展開していく事になるのですが系列会社である

バンダイの組織改変の中、真合金シリーズは短い展開で終わる事になります。

人型ロボットに偏りがちな合金玩具界に於いてこのマッハ号やゴッドフェニックス、

末期には東映メカであるゴレンジャーのバリドリーンをも高いレベルで商品化する等

個人的には大好きなシリーズでした。2007年現在、ユニファイブは同じく

バンダイ系列のプライズメーカー?であるバンプレスト内の事業部として活動、

キャラクターのストラップ等を発売している様です。

 

因みにブランド名ですが、シリーズ第1弾のメカブトンのみ「真合金」で

第2弾のヤッターワン以降は「超真合金」となりました。

(真合金グリップを除く)

 

発売は確か2000年頃だったかと…後にカラーを変更したバージョンも発売。

定価 8800円

 

側面

全長:約20cm

1967年の登場以来、今日まで幾度と無く商品化されたマッハ号ですが

超真合金版のサイドシルエットは1、2を争うズングリムックリ度を誇っています。

特に前輪の大きさとタイヤハウスのアンバランスさには涙が出ますが差に非ず。

これは「マッハ号として遊べる玩具」というコンセプトに正面から取り組み、

半ばヤケクソ気味にギミックを詰め込んだ結果生じたものであって

私的には必ずしもマイナスだとは思っておりません。

(前向きに倒れた、と言うか何と言うか…)

 

画像下は当館的にメインである水中走行(&航行)形態でステアリングにあるFボタンで

コクピット上部のフードと底部両側の安定翼、後部のスクリューが装備されます。

 

度々話題になるのがボディ下部のカラーですが、基本は上部と同じ白だと思います。

劇中では立体感を出す為に下半分にシャドウを入れたり模型や玩具になった際、

立体映えさせる為に青系の色を配色される事が多かった様です。

 

本商品のカラーに於いてはタツノコプロの了承を得た、と説明書に記載されており

ユニファイブのこの商品への意気込みを感じます。

玩具的アプローチをした超真合金としてはこの色で正解だったかと思います。

(因みに白部分はパールホワイトという仕様)

 

上部および底部

画像下が水中形態。

上部のアウトラインはサイドと違い割とマッハ号しています。

マッハ号の商品はチョッパーやギズモ等フロント部にギミックを仕込んだ物が多く、

その都合でコクピットが前後に狭くなってしまう傾向があります。

 

底部には一応‘それなりに’モールドが。

前輪の間にはチョッパーを操作するレバーが見えます。

また左右の安定翼と後部のスクリューは差し込み式となっています。

ギミックの都合で随分細いタイヤとなっていますが、これも目を瞑りましょう()

 

前部および後部

007に登場したアストンマーチンと違って架空の車なので

プロポーションとギミックの両立は困難だったでしょうが

こうして見てみるとナカナカどうして、結構頑張っているではないですか。

真正面のブサイクさも慣れてしまえば可愛いもんです。

 

フロッガー(潜水形態)

運転席後方には普段収納されている潜望鏡の伸縮ギミックがあるのですが、

開閉するカバーの構成には正直ビックリ。他社製品の潜望鏡ギミックの様に

潜望鏡の部分だけが上部に伸びると思っていたのに…。

←こんな風に。

↑ERTL製 1:18 ダイキャストモデルカー

 

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それでは「超真合金マッハ号」が

プロポーションを犠牲にしてまで手に入れた

スペシャルアクションを公開!

 

A:オートジャッキ

コクピット内のスイッチ(画像右上参照)を入れると底部のジャッキが

スプリングで下方に飛び出す…のだが、短か過ぎてあんまり意味が()

 

B:ベルトタイヤ

記憶が正しければ未だ嘗てベルトタイヤを再現した商品はありません。

本商品の説明書には「構造上、省略させて頂きました。予めご了承下さいませ。」

と、わざわざ断りがありました。まぁ当然といえば当然ですわな。()

 

C:チョッパー

マッハ号で外せないのがこの装備。底部のレバー操作にてせり出します。

注目すべきはその収納方法で、設定通りアーム中央で折りたたむ仕様になっています。

発売された商品の中でこれを再現したのは恐らく超真合金だけでしょう。

 

D:ディフェンサー

付属のフードを取り付ければ雨の日も安心。

F:フロッガー時にも使用します。

 

E:イブニングアイ

ハンドルを押すと前方のライトが約6秒間点灯。

暗闇で点灯すると…おぉ、かっちょいい!

 

F:フロッガー

先述参照。

スクリューは予備を含め4本付属しています。出来ればスクリューも後方に飛び出す、

なんてギミックがあると良かったのですが一寸贅沢かな?

 

G:ギズモ

やはり無くてはならないギズモ号。

コクピット内のスイッチでギズモのハッチが開き(画像上中)

付属のキーでハッチ内のカタパルトを押し込みます。

ギズモを入れてハッチを閉めれば準備オーケー。今一度スイッチを押してハッチを開き、

更にそのスイッチを後方へ引けばギズモが飛び出します。

※ギズモは予備を含め2個付属。

 

OPをイメージした同スケール?の三船 剛フィギュアも付属。

超真合金版マッハ号には‘玩具’としてのアツい魂を感じるゾ!

 

 

ERTL版マッハ号の展示室へ!

マッハ号の車としてのカッコ良さは

ノボランド内の「空想科学自動車&バイク博物館」で紹介しています。

(上の画像をクリック!)

 

 

 

 

昨今日本のアニメが海外でも高評価とニュース等

で聞きますがマッハGoGoGoは「スピードレーサー」

という名で当時からアメリカでも人気でした。

それから40年、当時と比べ現在のアニメの技術は

飛躍的に向上しましたがスピリットの在り方は

随分と変わったものになってしまいました。

これには「視聴者のニーズ」では納得出来ない

割切れなさと淋しさを感じます。

 

更に付属する くりお&三平の‘トランク仕様’フィギュア!

 

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