&ハイドロジェット/ホエール
登場作品:マイティジャック/戦え! マイティジャック
全長:235m
全幅:150m
全高:41m
飛行速度:マッハ2.8
1968年に始まった日本初となる1時間の特撮ドラマ「マイティジャック」。
ウルトラセブンから引き継ぐ成田亨デザインのハイセンスなメカが大変に魅力的な作品で
中でも円谷拘りの‘飛行も可能な万能戦艦’マイティ号(MJ号)の勇姿は実に印象的でした。
魅力的なメカ戦が豊富に見られるかと思いきや7割近くは少し大人向けなスパイ物といった
スタイルで子供のニーズには応えられな
青い海に映える影!
主役であるマイティ号(以下MJ号)は「海底軍艦」に登場する轟天号を継いだ様な
万能戦艦で、水中・水上を航行するばかりでなく飛行も可能。艦内には数種類の
小型メカを搭載し立体的な作戦行動も執れるスーパーメカです。
潜水艦と水上艦を合わせた様な艦体に巨大な主翼を装備した航空機色の強い
シルエットは先輩・轟天とは大きく異なるところ。武装面でも戦艦らしい旋回式の
主砲を敢えて持たせなかったりと、この辺デザイナーとして勝負処とみたのかも。
ただ、どうでしょう。劇中でのMJ号といえば発進時に於けるドックへの
注水シーンや浮上シーン、離水シーンといった場面は大変印象的なのですが
肝心な戦闘シーンとなるとどうも淡白な印象なのが否めません。
先述のデザイン的な問題と合わせて当時の技術&予算的な問題、或いは
脚本・演出的な問題等もあったのかもしれませんが何にしろMJ号を生かし
切れなかったのが作品人気の度合いに直結していた様に思えてなりません。
‘万能’というのは得てして持て余してしまうものですね。
ハイドロジェット&ホエール
MJ号に搭載されている小型メカの中の1つハイドロジェットはMJ号とは異なる
純粋な潜航艇ですがそのスタイルは古典的な小型宇宙船と言っても差し支え無い程。
上部にある吸着装置で敵艦底部にコバンザメの様にくっつける能力を有しています。
ホエールは第9話「地獄への案内者」に登場する敵の組織‘Q’の小型万能戦艦。
冒頭で米の空母を秘密裏に撃沈、各国間の不信感を煽ろうと暗躍します。
MJ号同様に水中・水上航行に加え飛行能力も備えた高性能ぶりでMJ号との対決を
大いに期待させてくれたのですがクライマックスの戦闘に於いてはたった1機の
ピブリダーとMJ号に為す統べなくやられてしまうというヘタレっぷりでした。
マイティジャック イズ…
1時間の特撮作品という事で豊富なメカ戦が見られるのかと思いきや7割近くが
少々大人向けなスパイドラマといった内容で子供のニーズには応え切れなかったか
結局13話で一旦打ち切り「戦え!マイティジャック」として仕切り直し。子供向けに
路線変更して尺も1話30分となりテンポアップ…と、この辺色々と意見が分かれる
処でしょうがマイティジャックという素材に於いてはこれで正解だったと思います。
この後もタックファルコンやマッキー1号、スペースマミーやアートデッセイ等、
円谷プロは果敢に空中戦艦の作劇にトライする訳ですが怪獣より巨大な飛行メカを
生かし切る作劇というのは素人目にも非常に困難な事なのだな…と。
フューチャーモデルズ製 EX合金
(株)アートストームのフューチャーモデルから展開されているEX合金に
円谷プロが誇る万能戦艦マイティ号が登場。嘗て発売されたガレージキットを
原型とするモデルでギミック類は無く、合金の質感と重量感を楽しむ
ディスプレイモデルとなっています。
2008年発売/定価:19800円
左舷
全長:約30cm
艦首から艦橋後部にかけての艦船っぽさがグッとくる側面。
所謂‘玩具’とは性格を異にするモデルなので艦首の分割線が若干気になるところ。
因みに無理くりスケール換算すると1/783といった感じです。
上部および底部
巨大な主翼が飛行機色を強めてい上・底部。
全体に走るモールドが太いのも若干気になる点ではあります。
底部に見える黒い四角はディスプレイ台とのジョイント部になります。
前部
グラマラスなボディが何とも魅力的!
SF色を強めたかったのか戦艦らしい旋回式の主砲塔などは与えられていません。
同年に公開された「緯度0大作戦」に登場するα号にも通じるものがありますね。
ピブリダーの発進口が造形されていると嬉しかったんだけど
参考にした撮影用プロップにも無かったのかな?
後部
完全に航空機イメージの後部。ノズルの開口はそこそこに。
巨大な主翼はMJ号に迫力を与えていますが個人的には主翼の無い、
純粋な艦船としての方向性でデザインを詰めて欲しかった気もします。
艦橋&上甲板
ナイフでスパッと切った様な艦橋前面。
劇中だと赤白で塗装された砲の間がスライドしてピブリダー等の着艦口が
現れるのですがモデルでは再現されず…残念!
細部以外は基本合金なので塗装も含めその質感がモデルの見せ場となっています。
艦橋後方
ボディ後方を見るともスパッと切れていますね。
まるで垂直尾翼&ノズル&主翼を構成する別のメカがくっついているみたいです。
主翼下
主翼下に懸架された武装も再現。何気に巨大な武装ですね。
ディスプレイ台が付属
ディスプレイ台には画像右の様に角度が変えられるギミックを搭載。
搭載メカが6機付属
モデルにはMJ号に搭載されている小型メカのミニモデルが6個付属します。
画像下・右からピブリダー(短翼)、同(ガルウィング)、エキゾスカウト、
コンクルーダー、ハイドロジェット、シプリー。因みにスケールはマチマチ。
MJ号のカッコ良さを伝えてくれるEX合金。
合金‘玩具’ではなく高価な置物として割切れればお勧めの1品です!
コナミ製 食玩
この頃に展開されていた人気食玩シリーズ「SFムービーセレクション」に
マイティジャックが登場。敵・味方で各3種ずつ計6種+αのラインナップで
当然の事ながら中身は選べないブラインド仕様となっています。
2004年発売/定価:300円
全長:約13.2cm(約1/1780スケール)
手頃なサイズ&価格で出来の良いMJ号の完成品が手に入るというのは大変有難い
ですね。EX合金にあった主翼下の武装はありませんが全く気になりません。
尚、シリーズ全種にディスプレイ台が付属します。
MJ号といえばイマイ製のプラモデルが80年代、90年代と割とコンスタントに
再販されていましたっけ。綺麗に組み立てようと思うと一苦労しそうですが
最大サイズである「ビッグマイティ号」などは完成すると楽しい物になりそうです。
ハイドロジェット
(ハイドロジェットV)
全長:12m/潜航速度:35ノット
MJ号に搭載されているハイドロジェットは上部にある吸盤状の装備で
標的の底部に吸い付く事が可能な特殊小型潜航艇。
MJ号と異なり純粋な潜水艦なので活躍の場が少なかったのが惜しまれます。
EX合金の付属品
全長:約2.7cm(約1/444スケール)
昔流行の宇宙船の様な印象も受けるボディから突き出た翼端にあるのが推進器。
モデルはEX合金のオマケですがサイズに見合わぬ造形&塗装で楽しませてくれます。
上部の吸盤?は後に登場した際に外されていた様な覚えがあるのですが…(曖昧)
バンダイ製 プラトイ
こちらは放映当時にバンダイより発売されていた玩具でゼンマイ走行が可能。
全長は約13.5cmで画像右にある台紙の裏が示す様に全6種となっています。
他にもトイマーク社からは電動走行する大型プラトイも発売されていました。
1968年発売/定価:120円?
イマイ製 プラモデル
放映当時に発売されていたキットのセット再販で、嘗てのゼンマイ走行ギミックは
オミットされましたがMJ号のみが再販されていた中でファンには実に嬉しい再販と
なりました。同時期にMJ号&エキゾスカウトのセットもリリースされています。
2000年7月発売/定価:1800円
巨鯨型万能戦艦 ホエール
全長:60m
全幅:15m
飛行速度:マッハ3.8
第9話「地獄への案内者」に登場するホエールは小型ながらも強力な戦闘力を持ち
飛行能力も備えたQが誇る鯨型万能戦艦!
ここで展示するのは上のMJ号と同じコナミ製の食玩になります。
左舷
全長:約13cm(約1/462スケール)
クジラ型だけあってか実に優雅な印象を受ける艦影を持つホエール。
シンプルながら奥深いものを感じます。
上部および底部
側面以上にシンプルさが光る上・底部。
Qのメカに共通するゼブラ模様は非常に有効なアイデアの様です。
前部および後部
小さなモデルですが艦首の造形は中々のもの。
劇中では艦尾の赤い尾翼の根元から後方に向けレーザー?を発射していました。
うーむ、見れば見るほど味のあるデザインだなァ…
スクリューやノズル類が無い辺りQの科学力はMJ以上だったり!?
バージョン違いも!
ホエールは本シリーズのレア・アイテムなのですが
更なるレア・アイテムとして主翼を展開したバージョンのホエールも混入。
自力で引き当てるのは至難の業です…。
MJ号の艦載機とQの戦闘機
各2種を別館にて展示、画像をクリックすると展示室へ入れます。
マイティジャックに登場するメカは
1つ1つが大変魅力的なデザインで、
こうして出来の良い立体物を手に取ると
その魅力が解り易く伝わってきます。
しかしながらメカの真の魅力というのは
やはり劇中で活躍している場面から
生まれるものだと思います。現在の
技術ならMJ号を生かし切れるかな?
1個のメカとして見ると凄ぇカッコイイんだよなァ。