エルガイム

L-GAIM (mk1)

登場作品:重戦機 エルガイム(1984

 

全高:20.7m/本体重量:19.1t(フル装備時:31.1t)/乗員:1名

(劇中設定より)

 

 

 

 

バンダイ製 1/100スケール ハイメタル

 

本モデルはバンダイの新ブランド‘ハイメタル'の第1号商品なんですが注目したいのは

高荷義之氏の筆による箱画からしてハイエイジ向けホビーの態を為してはいるものの、

ポピー事業部が手掛けたSTマーク入りの純粋な玩具であるという点です。

 

バンダイは同時期にホビー事業部がハイコンプリートモデルで1/144エルガイムを発売。

こちらもSTマーク入りの8歳以上向けモデルという事で他の事業部から異なるスケール

でエルガイムのマニア向け‘玩具モデル'が発売されるという一寸興味深い状況に。

 

198410月発売/定価:4800

 

 

 

 

FRONT,SIDE & REAR VIEW

全高:約21.5cm

 

前作の「ダンバイン」で討ち死にしたクローバーに代わって玩具も展開する事になった

バンダイですが同じ轍は踏まぬとその基本造型は画像の通りハイエイジ向けにシフト。

その甲斐あってか全体的なプロポーションは概ね良好なものに仕上っている感じ。

 

‘ハイメタル'の名に拘ったか外装各部や前腕、足首等には金属パーツが使用されており

これにより一寸した超合金風味も味わえるモデルとなっているのが面白いところです。

 

 

 

 

それでは以下にハイメタル版エルガイムの各部を順にご紹介。

 

 

頭部

 

頭部は首のジョイントで上下左右に可動するんですが画像にある通り上下は兎も角、

左右の動きに関しては本当に申し訳程度なものとなっている辺りが何とも残念。

 

 ←それ以上に残念なのがやや下膨れとなっている頭部の造型。

マスクの左右にあるブルー部分がもう少しスマートに造型されていれば…

 

 

 

 

腕部

 

肩は2軸で可動し腕部の開きに関してはクリック機構を採用。 肘の曲げ角は90度弱、

前腕のロールは肘ユニットと前腕で個別に可能。 また画像の様に前腕内部は外部から

独立して可動するので、これを利用して肘の曲げ角度を深める事も可能となります。

 

尚、肩部上面と前腕内部と胸の一部は金属製、回転可能な手首はPVC製という仕様に。

 

 

 

 

胴・脚部

 

強度面の関係なのかコスト面なのか残念ながらウエストは可動せず。

3つの端子がある股間部にも金属パーツが使用されています。

 

左右の開脚度は画像左な感じで腰のサイドアーマーも可動します。

股関節は左右独立して可動するんで画像中の様に左右個別に脚の位置を下げる事も可能。

これを利用すれば脚部を画像右の位置まで上げる事が可能となります。

 

 

 

 

膝・足首

 

膝関節はそれまでのロボ玩具には無い三重構造となっており太腿側で1軸、

脛側が2軸で可動。 また足首は基部と爪先以外にも2つの踵が個別に2軸可動…と、

この様に中々フレキシブルに可動する脚部は画像右の様に正座をも可能とします。

 

 

 

 

ランダムスレート、オープン!

 

内側の踝の上にある小さなスイッチを押すと脛の外側を構成するランダムスレートが

設定通りにパカッとオープン、こういったギミックが玩具である事を思い出させます。

勿論脛内部のメカもそれなりに再現、この辺は抜かり無しです。

 

因みにランダムスレートと内側の脛、それに爪先にも金属パーツが使用されています。

 

 

 

 

付属品

 

武器はパワーランチャーとエネルギーチューブ、セイバー(の柄)、Sマインが2個ずつ。

これにバインダーと飛行ユニットであるランドブースター‘ライト'が付属します。

 

また他にもHCMでお馴染みのメカニカルファイルが付属、この辺りを見ても

これまでの玩具とは異なるマニア層へ向けた商品作りである事が伺えたりです。

 

 

 

 

ACTION

 

付属のセイバーは前腕内側のホルダーに取り付け可能でSマインと共に手に持たせる事も

可能なんですが、やっぱ刃が付いて無いってのは大きなマイナスポイントだなぁ。

 

 

 

 

パワーランチャーを装備

 

前腕外側にあるジョイント穴にパワーランチャーを装備可能。

エネルギーチューブでランチャーと本体を繋ぎますが経年劣化なのか本モデルでは

チューブが硬くなっちゃってて…両腕に装備出来るのは良いんですけどね。

 

 

 

 

バインダーを装備

 

パワーランチャー同様に前腕の穴へジョイントが可能。

バインダー裏面に各種装備をマウントする事が可能なんですが、パワーランチャーを

付けるとランチャーが干渉して肘周りの関節の可動範囲が制限される事に。

 

 

 

 

ランドブースター‘ライト'

 

ウィング状のスラスターは左右個別に可動。 背部への取り付けはブースター側にある

爪状のパーツでロックするんですが解除機能は無く、そのまま引き抜く仕様なんで外す

際は注意しないとバーツがパキッと逝きそう…ここはもっと配慮が欲しかったですね。

 

 

 

 

フル装備!

 

おォ、玩具を超えた格好良さがありますね〜!

方向性としては純粋なアクションフィギュアであるハイメタル版エルガイム。 玩具の

カテゴリーではありますが同期のHCM版に負けない完成度なんじゃないかと思います。

 

ただ致命的な欠点としてプラ(ABS)部分の経年変色が挙げられます。 湿気や紫外線

など理由は様々だと思いますが酷いのになると真っ黄色の固体も散見する程。 同時期の

HCM版バイファム等も酷いものが多く、この時期に使用された原材料の特性かも?

 

 

 

 

オフシュート版と

 

ハイメタルから23年後の2007年に発売されたオフシュート版(2800円・税別)と。

小サイズながらエルガイムの基本ギミックは粗方装備されているのが凄いところ…

なんですが緩い関節構造や膝裏のパイプが取れ易い等、オフシュート特有のストレスも。

 

ハイメタルはこの後、やはり討ち死にしたタカトクから受け継いだバルキリーを展開。

いきなりスーパーオストリッチとエリントシーカーを発売してファンを驚かせましたが

バルキリー後は「〜R」まで休眠に…やはり‘玩具'としては何か違ったんでしょうね。

 

 

 

 

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