轟天号(2005)

 

 

 

 

登場作品:ゴジラ

     ファイナルウォーズ

全長:150m

全高:38m

重量:10000t

 

 

 

 

200412月に公開された「ゴジラ ファイナルウォーズ」は

登場する怪獣や脚本・演出に於いてあらゆるものを詰め込んだゴッタ煮の様な賑やかさで

ゴジラ映画の最後を飾ってくれました。

東宝特撮メカの雄「轟天号」も復活し、この「ファイナルウォーズ」に参戦。

人類最後の希望として遂にゴジラと対峙しました。

 

 

そのデザイン

 

*  帰ってきた轟天号

「惑星大戦争」以来久しく名を聞かなかった轟天がめでたく復活、最後のゴジラ映画に花を添える…

初めてその話を聞いた時は嬉しかったですねぇ。思えばスーパーX以降色々な対ゴジラメカが登場しましたが

個人的にはどれもこれも今一パッとしないものが多くて、ナゼ轟天を登場させなかったのか疑問でした。

それが「最後のゴジラ」に登場するというではありませんか!

最近の流れならゴジラとの対決は必至、「キングコング対ゴジラ」に匹敵するくらいのインパクト!

「猪木vs馬場」(例えが古いなー)が観られる様なドキドキ感を感じずにはいられませんでした。

…そう、雑誌に乗った「新・轟天号」のデザインを見るまでは。

 

*  轟…天…号?

雑誌で轟天のデザインを初めて見た時は「あァ、これが宇宙人の戦艦で轟天はコイツとも戦うんだァ」

…なんて思っていましたがキャプションと本文を読んで愕然。これが新・轟天なのか…

名前を失念してしまいましたが、確かアニメ畑出のデザイナーによるもので成程それっぽい形をしています。

文字通り絵空事で終らせる事の出来るアニメと違って、特撮は例えミニチュアであっても画面の中に確かに

存在しているという事実があり、アニメメカと同じ感覚でデザインされたトンデモメカを登場させると画面

に映るメカ以外のもの(山やビル等々)が持っている「存在感」とシンクロ出来ず確実に浮いてしまいます。

こうして生まれる「違和感」は観る者を脱力させ、轟天のみならず作品全体に悪影響を及ぼす恐れがあると

いう事を制作側は理解してくれているだろうか?

肝心の活躍ぶりにも疑問が残る。轟天は序盤、宿敵?マンダと対決するが深海にも関わらず両者の動きは超

スピードでその演出もアニメそのものに感じられた。この轟天なら‘さもありなん’だが、これは特撮映画

である。制作側のセンスなのか観客のニーズなのかは判断しかねるが、洋・邦問わず最近の特撮作品に見ら

れるCGを多用した「アニメ的演出」に懸念を持たずにはいられない。

CGの全てが悪いとは思わないが、特撮作品が特撮作品である事を放棄している様に思えてならないのです。

 

*  玩具としての轟天号

轟天の不幸?はまだ続く。

出資者であるバンダイは当然、轟天の商品化を念頭に置いていたハズなのだが…

出来上がった商品を見てまた愕然。初めてポピニカを見た時にまず感じたのは「ちょっと小さいかな?」

で、箱から出すと更に小さい事に気付いて驚く。何しろ4000円もするのだ。値段と大きさの違和感を脳内

処理するのはかなり難しい。しかももっと大きな問題がこの後すぐに発覚する事に…

【バンダイ】が出した【ポピニカ】という歴史のある【玩具】で【定価が4000円】もするのに

【全く遊べない】…これは一体どういう事なのだ?

出来上がったデザインを見てサジを投げたか?売れないと踏んで開発費をケチったか?それでも足らずに

予め売れ残り分を計算して初めから価格に上乗せしたか?…メーカー側の事情も色々あるだろうが

これはもう【試合放棄】に近い。兎に角、轟天のメイン商品であるポピニカは玩具を愛する者としては

そのデザインを含めて哀しいまでの商品だ。(デザイン、本商品のファンには申し訳無いですが)

 

 

 

…で、玩具

 

 

バンダイ製 ポピニカ

 映画公開に合わせて発売されたもので、怪獣映画に登場する

 メカがポピニカになったのは初でしょうか?

 主役は怪獣であろうが、商品展開を考えればソフビの怪獣だけ

 に頼るよりはこういった方向性の違う商品を用意しておく事も

大事だと思います。

もう一つのブランド「超合金」では今回ガイガンを商品化。

サイボーグ怪獣というキャラクターが違和感無く超合金化され

 ていました。              定価¥4000

 

 

 

 

左舷

全長約20cm

 

ドリルは轟天の特徴の筈だが全体のデザインがその魅力を殺してしまっている。

上に張り出しているのが艦橋で下に張り出しているのが動力部だが、

これといったアクションを起こす訳ではない。

 

 

上部および底部

全体に施されたモールドは相変わらず見事。

劇中ではあちこちからミサイル等が発射されていたが商品には反映されず。

 

 

前部および後部

この大きさでドリルがギミック的に回転不可(手動は可。でも固い)なのにはビックリした。

デザインの事は置いておくとしても、玩具である事を放棄した様なメーカーの態度に閉口だ。

 

 

付属の飾り台

定価¥4000もする高価な置物。

厳しい言い方だが「ポピニカ」を名乗る資格は無い。

 

 

ギミック

艦首両舷にある4枚の「羽(パッケージ表記)」が可動する。

唯一のギミックだが劇中でクローズアップされた訳でもないのであまりピンと来ない。

 

 

バンダイ製 食玩ミニバトルG

ソフビ製のゴジラとセットされた塩ビ製の轟天。全長は約9cm

 

 

デザインも玩具の出来も私的には好きになれない

ファイナル轟天なのですが、

もしこれが毎年量産されるアニメに登場する様な

メカであればきっと悩まずに済んだことでしょう。

【特撮作品】の【最後のゴジラ映画】に登場する

メカで【轟天】の名を持つものとしては

少し荷が重かった様に思えてなりません。

 

食玩版のアップ。これで充分な気も。

 

 

入り口へ戻る    ロビーへ戻る

 

inserted by FC2 system