& NEWアポロン基地
登場作品:UFO戦士 ダイアポロン(1976)
ブルマァク製
ジンクロン(ブルペット合金)
合金玩具華やかなりし70年代、ご多聞に漏れずブルマァクからもキャラクター物の
合金玩具が色々と発売されていましたが、その緻密な造りが大きな魅力となり
業界のオピニオンリーダーとなったポピーの超合金・ポピニカとはかなり異なった
アプローチを採ったブルマァクの合金玩具の評価は当時から微妙なものがありました。
このアポロン基地も劇中のものからは少々距離を置いた形で仕上げてあります。
1976年発売/定価:1500円
SIDE VIEW
全長:約13.8cm
普段は海底に鎮座、移動も可能なアポロン基地は元々宇宙船という事で
成程、その姿はソレっぽいものに。 内部にはダイアポロンに合身する3体のロボットと
各種戦闘機類を搭載。 基地というより母艦と言った方がシックリくる感じです。
TOP & BOTTOM VIEW
前部に巨大なドーム、後部にロボット射出用の大砲を備えた上部は何処か妖怪チック。
アッサリ気味の底部には金属製の車輪が着陸脚内部に装備されています。
メタリックブルーの本体と赤いドーム部は合金製なのでズッシリ感は中々のもの。
造型と共にカラーリングにもアレンジが加えられており、本来は白を基調としています。
FRONT & REAR VIEW
本来ボディ厚はもっと薄く、この辺がモデルのスタイリングに悪影響を与えているのかも。
全体的な造型の甘さはメーカー側の判断だと思うのですが、それでも
もう少しポイントとなる部分の造型にメリハリを付けた方が良かった様な。
基地であり潜水艦であり宇宙船でもある
ロボットアニメの基地にはままある万能パターン。
もう少し用途を明確にしたデザインの方が良いと個人的には思うんですけどね。
玩具に関しては元デザインの良し悪しの問題もあるかと思いますが、
至らないデザインであれば玩具化の際に高い造形力&プレイバリューで
これをカバーするのが玩具屋ってものかと。
ブルマァクの合金玩具はスタイリングよりもプレイバリューに趣きを置いていた
イメージなので、スタイリングに関しては目を瞑るのが通ってもんかなァ。
同じジンクロンのゴジラなんて腹が開いて戦闘機が飛出すんスよ?
それでは期待を込めてアポロン基地のギミックを見てみましょう。
ACTION
本モデルにはヒコーキ(パッケージ表記による)とUFOが2機ずつ付属。
前部のドームが開き、内部のカタパルトから射出可能なんですが…
何故、劇中に登場するスペースクリアーやUFO型戦闘機にしてくれなかったのか(涙)
因みにヒコーキはドーム後方の突起部に取り付ける事も可能です。
ハッチが開閉可能
左前部にある搭乗用?ハッチが開閉可能。
ステップが切ってあるのが芸コマというか微笑ましいというか。
転がし走行が可能
着陸脚内部には車輪を装備。
赤い着底部を捻って押し上げると車輪が出てくる仕様で転がし走行が可能です。
ロボットミサイル発射!
後部にある3連大砲?は仰角を変更可能で個別に「ロボットミサイル」を発射可能。
本来であればここからヘッダー、トラングー、レッガーが射出されるのですが
先述のヒコーキ&UFO共々、残念ながら商品には反映されず。
同時期に発売されていた永大のミニ合金・グリップキャラクター版アポロン基地では
一応ヘッダー、トラングー、レッガー型のミサイル(勿論発射可能)だっただけに
ここは本モデルで最も惜しまれる部分ではないかと思われます。
劇中に倣い砲口を塞がない感じでパチリ…あんま変わんないかな?
う〜ん、それにしてもギミック的にも光るものが見当たらないなぁ。
だからと言ってドームからプロペラがブ〜ンと飛ぶってのを期待している訳では
ないのですが…ロボットミサイルに代表される様に造型の至らなさが
ギミックにも悪影響を与えているんですよね。
やはりロボット物の基地玩具にはロボットが付属しないと。
ブルマァク製 プラモデル
パッケージサイズ:約27×39×5cm
「ダイアポロンU」時の商品で、恐らく唯一の立体物かと思われます。
先立って発売されたアポロン基地にニューアポロン基地分のパーツを追加した内容で
ミニモデルのダイアポロンも付属するサービスぶりが嬉しい一品。
何よりデカイ箱がワクワク感を誘います!
因みにパッケージにある‘ブルモデル'はブルマァク内のブランド名になります。
中身
隠れて見えませんがニューアポロン基地本体の成型色は赤1色となっています。
クリアパーツもありますが作るなら塗装は必須でしょうね。
組み立て説明図より
ニュー基地はゼンマイ走行可能ですが、アポロン基地側に動力は無いので
もしかすると単品版アポロン基地とは別物なのかも?
アポロン基地部分のギミックは合金版とほぼ同じですが、合金版と違って
スペースクリアー、UFO型戦闘機、3体のロボットがちゃんと造型されています。
(但し大甘造型ですが)
玩具的な意味合いも強いモデルですが玩具よりは格好良い、という感じです。
時代の流れに乗り切れなかった…?
「ダイアポロン」で採用された3体のロボットによる合体(合身か)というのは
業界初であり合金玩具にも反映。ヘッダー、レッガー、トラングーがセットになった
大箱も登場しました。 同時期のポピーが「コン・バトラーV」だった事を考えると
ブルマァクも相当力を入れていたのではないかと思うのですが、このアポロン基地に
関しては正直、力不足だったかな。 スタイリングを捨てたのであれば
もう少しプレイバリューを高めて欲しかったと思います。
ただ、この頃にはもうブルマァクのセンスは時代遅れになっていたのかも…