ブルーノア

With シイラ&戦闘ヘリコプター‘バイソン’

登場作品:宇宙空母ブルーノア(1979/TVアニメ)

 

全長:360m/全幅:140m(空母時)/基準排水量:170000t/可潜深度:2500

速度:50ノット(水上)・60ノット(水中)/搭載機数:150機/乗員:750

(劇中設定より)

 

 

 

 

野村トーイ製 合体DX(デラックス)

パッケージサイズ/縦:約22cm×横:約32.5cm×厚:約10.5cm

 

「ブルーノア」は野村トーイが「ヤマト2」に続いて商品展開した作品で合金・プラトイ

・ソフビ・プラモ等を展開、画像のDX版はその頂点に位置する商品で変形や2種のメカ

との合体を良好なプロポーションの中で再現。 因みに画像は後期版の箱になります。

 

1979年発売/定価:?

 

 

 

 

潜水艦形態

 

敵性宇宙人の襲来に対抗する為の組織‘マルス’が誇る巨大潜水母艦ブルーノア。

設計者は物理学者にして本作の主人公である真の父・日下健次郎(声:宮内幸平)博士。

先ずはその潜水艦形態からご紹介!

 

 

 

 

SIDE VIEW

全長:約30.5cm(約1/1180スケール)

 

西崎義展がポスト・ヤマトを求め生まれたブルーノアは空母と潜水艦を融合した欲張り

デザインにした結果、潜水艦形態では喫水線上が異常にデカいアンバランスさを見せますが

アニメメカにリアルさを求めなければこれで案外、他では見られない格好良さを感じたり。

 

モデルは当時にして中々リアル寄りな造型となっており、色等で過度に華美化する事なく

丁寧に仕上げています。 基本的にプラ製ですが個別メカでもある艦首底部と艦尾上部、

劇中には無いマルスのエンブレム?が見える艦体中央部には合金が使用されています。

 

 

 

 

TOP & BOTTOM VIEW

 

潜水艦の態を守るかの様に滑らかなラインの上部、両舷に張り出した部位はモデルだと

ミサイル発射機ですが劇中ではどうだっけか…あと先述した両舷のエンブレムと艦首上部

のデザインにはシールが使用されているんですが、艦首に関しては少々浮いている気も?

 

 

底部は玩具らしく車輪を設けるといった方向性ではなく設定に則したフラット設計。

ヤマトの様に諸々生えてないのは淋しい反面、飾り台不用なのは子供にゃ優しかったり。

 

 

 

 

FRONT VIEW

 

如何にもトップヘビーな前部シルエットですが艦体下半分の断面を六角形っぽくしたのは

面白い感じ。 設定では艦首に困った時の必殺技・反陽子砲を装備、劇中でも景気良く

ブッ放していましたがモデルでは反映されず特徴的な艦首上部のデザインも省略され…

 

 

うむ、モデルのフォルムは良好ですね。

前方上部に2基装備されているのは2連装・電磁加速砲。 本来は横に2連装なんですが

基部や砲身は不可動なんで潜水艦形態では縦に2連装な感じですが気にしない方向で。

 

 

 

 

REAR VIEW

 

モデルは艦全体に走るパネルラインのモールドが非常に良い感じなんですが画像の通り

艦尾部分はつんつるてんに…後述する戦闘ヘリ・バイソンをホールドしなければならない

関係だったのかもしれませんが個人的にはここの間延び感の強さが気になるんスよねぇ。

 

因みに劇中での艦尾はもっと幅広に作画され、メインノズルの両横には縦に3つずつ、

横長の長方形パネルが画かれていたのでこれをモデルにも反映してくれていれば…

 

 

底部前方両舷の取水口?から後部ノズルに繋がる理に適ったラインが心地良し。

バイソンの主砲は後部に於ける良いアクセント、その横に並ぶ4つの正方形は劇中だと

横方向に発射するミサイルランチャー、また艦橋後方の半球部も武装となっています。

 

 

 

 

ACTION

 

先述した様に艦橋手前で左右に張り出す円筒形の部位はミサイル発射機でその上部にある

赤いボタンでミサイルを発射します。 (ミサイルはランナーに付いた形で5発付属)

 

劇中では発射後の様な筒状スタイルなんで常時は装填しないのも充分アリですね。

遊んでいる最中に暴発する恐れもありますし…つーか、スペース的に余裕があるんだから

艦首の反陽子砲発射を何かしらのギミックで再現して欲しかったと思う訳ですよ。

 

 

 

 

シイラ出撃!

 

艦首上部にあるスイッチを後方へ引くとロックが外れ艦首底部にホールドされていた

大型潜水艦・シイラを取り外す事が可能。 因みに本商品、或いは一部の資料では

「シーラ」と表記されていますが「シイラ」が一般的表記の様です。

 

収納されているとはいえシイラは全長:120m、最大幅:26mもある涙滴型潜水艦で

速度は水上:35ノット/水中:70ノット、水中戦闘機や偵察機等も搭載していました。

 

シイラは当初から主人公が乗艦していたんでブルーノア顔負けの活躍頻度を見せます。

艦長はブルーノアの戦務長だった清水忠治(声:伊武雅之)、清水の戦死後は本作の

主人公である日下 真(声:古谷 徹)が艦長代理として指揮を執っていました。

 

モデルの全長は約9.7cm(約1/1237スケール)で合金製、省略気味な造型なれど

雰囲気は充分といった処…ですが残念なのは後部にある推進ノズルの位置。 劇中だと

底部に2基設けられているんですがモデルでは何故か両舷の喫水線辺りとなっています。

 

 

 

 

飛行甲板、開け!

 

潜水艦形態の上部を左右に開くと飛行甲板となりブルーノアは空母形態へと変形、

付属する3基の主砲を艦橋の前後にある穴へ取り付ければ変形完了です。

 

主砲の収納ギミックが無いのは何とも残念な処ですが技術的に難しかったのかな…

甲板の穴が若干キツイので主砲を根元まで差し込むとカチカチで旋回不可&取外し時に

破損する可能性が見えたんで画像では浮かせる感じで取り付けてあります。

 

因みにモデルの設計者は意識していなかった様ですが劇中での2番砲塔はちゃんと

1番砲塔よりも高い位置に配置されており、前方への射線を確保しています。

 

 

 

 

空母形態

 

搭載された艦載機による立体的で機動力のある空母ならではの攻撃手段に加え

戦艦の火力をも有したブルーノア浮上時に於ける決戦モードだ!

 

 

 

 

SIDE VIEW

 

飛行甲板を有した事で平面的なシルエットとなったブルーノアですが艦橋は収納せず

そのままに。 この辺は空母らしさより戦艦らしさを優先したのかもしれませんね。

見た通り全長は潜水艦時と変わりません。

 

 

 

 

TOP VIEW

 

戦艦の両舷に全通甲板を配する攻めたスタイルは当時にして目新しく魅力的。

モデルだと艦橋を覆っていた部分が凹んでいますが、劇中では甲板展開後に

凹んだ部分がエレベーターの様にせり上がって全通甲板となる流れです。

 

 

 

 

 

FRONT & REAR VIEW

 

甲板を展開させると重心が下がり安定感のあるシルエットに。

モデルはSF空母として見ても格好良く造型されていると思います。

因みに先述の電磁加速砲は甲板を開く事によって晴れて正位置(横2連装)に。

 

 

 

 

ブリッジをアップで

 

窓こそシール処理ですがモールドも頑張っていて良い感じ。 劇中、戦闘時には側面中央

付近にある蒲鉾を縦にした様な部位から3連装の砲身が出てきます。 潜水艦時に於いても

使用されたんですがモデルだと潜水艦時に閉じた甲板で隠れちゃうんですよね…

 

形状的には設定だと括れ部分はもっと上下に短く艦橋前方は全体的に後方へ傾斜したスタ

イルなんですがモデルだと画像の様に造型されており、少々格好良さには欠けた感じも。

 

艦橋後方の煙突の高さが低く上部が赤くないのも気になる点ですが変形の都合ですかね?

主砲も含め艦内への収納ギミックがあると良かったんですが…あ、煙突と記しましたが

劇中では敵の衛星を破壊する中性子ビーム砲という設定になっています。

 

 

 

 

艦載機、発艦せよ!

 

本モデルには艦載機がランナーに付いた状態で4機付属しますがその形状は劇中に

登場する艦載機とは異なるものに。 準備稿段階のヤツを立体化したんですかね?

劇中末期に登場した宇宙用艦載機の形状は覚えが無いんだけど多分違う様な気が…

 

因みに艦載機はバンダイから100円の単体プラモが出ておりました。

 

 

 

 

カタパルトより射出!

 

モデルは左甲板の前方と右甲板の後方に各1基ずつカタパルトを装備、劇中では甲板内部

からモデルにも見られるスロープを駆け上がる様に発艦します。 所謂アングルドデッキ

の一種ですが甲板状に艦載機が並んだ状態ってのは宇宙空母らしくないとの判断スかね?

 

個人的にちょいと気になるのは艦体に施されたラインが凹モールドなのに

甲板状に走るラインは凸モールドな点。 まァ、小さな事ではありますが。

 

 

 

 

 

戦闘ヘリコプター‘バイソン’出撃!

 

ブルーノアの後方ユニットはそれ自体が単独行動可能な戦闘メカとなっています。

「戦闘ヘリ(コプター)」と表記される場合が多いですがヘリには見えないッスね。

設定全長:81mの大型メカで、野村トーイからは単独商品も発売されていました。

 

付属のバイソンは合金製で全長:約7cm(約1/1157スケール)、上部の主砲は360

旋回&底部の車輪で転がし走行可能。 設定では総乗組員数:500名(!)を誇る上陸

戦闘用メカでしたが最終的にはドメニコ(声:古川登志夫)による特攻で散る運命に。

 

当時の資料の中には「ガンシップ」と表記するものもあって個人的にはそちらの方が

好みだったりしますが当時の子供にゃ馴染みの無いフレーズだったかな? 何れにせよ

野村トーイもバンダイも「バイソン」の名を使用しなかったのが少々淋しかったりです。

 

因みにバイソンが収納されていた部分の床面にはバイソンの車輪受けが凹モールドで、

(C)Y.NISHIZAKIと(株)野村トーイ(の住所!)が凸モールドで表記されています。

劇中だと分離後の艦尾上部は左右から閉じるシャッターで塞いでいました。

 

 

 

 

底部格納庫

 

艦尾底部は小物入れになっていて潜水艦形態時に余剰パーツとなる

艦載機や主砲、予備ミサイルを収納する事が可能という親切設計。

 

 

 

 

秘密装備、地上走行ユニット装着!

 

やっぱ玩具なんで走らせなくっちゃ…って事で本モデルには専用台車が付属。

台車にブルーノアを乗せれば転がし走行が可能となります。 乗せれば…と記した様に

ブルーノアと台車は固定されている訳ではないんで申し訳程度なギミックという感じ。

 

 

 

 

野村トーイ製 プラトイ 戦えブルーノア

1979年発売/定価:?

全長:約22cm(約1/1636スケール)

 

合体DXの廉価版プラトイで変形するのは良いんですが残念ながらシイラの分離は不可

だったり折角艦首が開いても入れる物が何も無かったりするという何とも残念な仕様に。

 

DX版で課題だった潜水艦時に於ける主砲の収納は画像の様に回転させる事で解決するも

その代わりに主砲を回転パネルと一体成型とした事で主砲の旋回が不可に…うぅ(悶)

 

一方バイソンは分離可能、PVC製のゴドムメカが2機付属するのは嬉しい点ですね。

画像下の右下:ゴドムの大気圏内偵察機(オレンジ)、同じく単座戦闘機(ブルー)

 

 

そう言や、スタンダードサイズの合金版ブルーノアもシイラが分離不可だったんだよなァ。

でもって、同じく野村トーイ製のプラモ版だとバイソンの方が分離不可とか…(悩)

この辺、競合相手だったバンダイ製プラモに比べると見劣りしちゃうんですよね。

 

因みに野村トーイは「ブルーノア」の後、「バルディオス」の玩具を展開する事に。

ここでもプラモを発売しましたが低年齢向けだったかやはりバッティングしたバンダイ製

プラモに比べると見劣りする内容で…「ヤマト」のプラモ(※)は結構良かったのに。

 

※ 野村トーイは「ヤマト2」時にヤマト・アンドロメダ・ナスカのプラモを発売。

ヤマトとアンドロメダはサイズ違いも発売されていました。

 

 

 

 

野村トーイ製 ソフビ 合体セット

1979年発売/定価:?

 

ブルーノアと主人公・日下 真(くさか しん)のミニソフビ、それに消しゴム製ゴドム

メカのセットで台紙の裏は当時よく見られた作品とは無関係なゲーム盤となっています。

 

全長:約15cmのブルーノアは若干SD入っているシイラとバイソンが合体可能という

ソフビにしては豪華な仕様で、日下 真は唯一ソフビになったブルーノアキャラ。

2つの消しゴム製メカは設定全長が900mもあるゴドムの宇宙空母です。

 

 

消しゴムに関しては別商品で色々と立体化されました。 他作品(他メーカー)の商品と

同様にキャラクターや脇メカが充実し、他に無い貴重な立体物の多さが大きな魅力です。

 

 

 

 

何やかんやあって‘宇宙空母’に…

 

ラスト数話で漸く改装されるにあたってシイラ&バイソンはお役御免。 で、結果的に

‘宇宙空母ブルーノア’の玩具は発売されずという、よぉ解らん状態に。 どうも西崎氏

は最初から海洋冒険物をやりたかった様で…さてはスポンサーを騙くらかしたか?

 

 

…とは言え、ブルーノアは言ってみれば戦艦+空母+潜水艦で変形や搭載メカとの合体も

こなす玩具的にも贅沢で優秀なデザインではないかと。 何よりこのイケイケドンドンな

デザインはまるで当時の西崎氏や玩具業界を体現している様に思えて楽しかったりです。

 

 

 

 

難産なれど

 

この作品でSF設定をしていた金子隆一によると色々な苦労があった様ですね。

曰くブルーノアのデザインは野村トーイが作った玩具の木型が基ですが、そのままでは

TV的に&商品的に使えないと判断し諸々手を加えた結果‘まだマシ’になった、と。

 

何でも当初の案では飛行甲板を展開後に中央の本体が分離、そのまま潜水艦として

行動可能になる予定だったそうで…んー、それはそれで見てみたかった気もしますが

流石にやり過ぎとみたか結果的にこのアイデアはシイラの誕生へと繋がった様です。

 

他にも安彦良和が途中で抜けて「ガンダム」やってたり沢田研二が歌った「ヤマト」の

向こうを張ってか当時アイドルだった川崎麻代に主題歌を歌わせたり何時まで経っても

タイトルの宇宙空母にならなくて視聴者を困惑させたり…と、話題の多い作品でした。

 

 

 

 

桃園書房 ムック本

1979年発行/255頁/定価:650

 

最後に当時発売されていたムック本をご紹介。「テレフィーチャー」と題され2時間SP

として放映された第1話のみを採り上げたムック本で絵物語的に第1話を収録している

以外に各種設定資料も収録、この手の本って映像ソフトの無い時代には重宝しますね。

 

他にも立風書房からテレフィーチャーの薄いムック本と高密度な超百科が発売されて

いたのを憶えているんですが、今思うと「サンダーバード」「キャプテンスカーレット」

「謎の円盤UFO」「ガンダム」と揃えていたんで超百科にしときゃ良かったかなァ?

 

 

 

 

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