イカルス

登場作品:猿の惑星(1968

 

 

 

 

東宝製 猿の惑星コンプリートDVD-BOX特典

1975年に放映されたTV版「猿の惑星」のDVD-BOXに付属する特典の1つで

ディスクを収納するケースになっています。日本版オリジナルの特典という事で

大味な造形ではありますがその存在は中々貴重かも?中古購入の為、本体のみでした。

 

20041125日発売/定価:29400

 

 

SIDE VIEW

全長:約30cm

 

アウトラインは楕円錐とも言うべきシンプルデザインなイカルス。

映像を見ると非常に小型の宇宙船なのですが4名分の長期睡眠装置を装備するなど

外宇宙探検用としての装備は見かけ以上に充実している模様。

モデルはDVDの収納ケースという事で少々寸詰まりなのですが、まぁ無問題ですね。

「創世記」を観ると打上げ用ロケットの先端に取り付けられている姿が確認出来ます。

 

 

TOP & BOTTOM VIEW

イカっぽい姿の上・底部。カラーリングに関してですが機首にある赤青のラインは

劇中だと後部にもあるのですがモデルでは割愛されているのが残念至極。

機首の金色も劇中では金色なのかどうなのかイマイチ確認出来ません。

また、本来は機体中央部に縦書きで「UNITED STATES」と表記されています。

 

モデルは「1」の冒頭で描かれる内部の様子を考えなければ寸詰まり感も気にならない

造形具合となっており、玩具造形と思えば寧ろ良く出来ている方なのでは?

底部を見るとビス穴をパーツによって塞ぐといった細かな配慮も確認出来ます。

 

機首側の脱出ハッチは緊急用らしく左右のキャノピーと共に火薬で飛ばす様子が

「1」の序盤で描かれており、「続」の主役・ブレント達もこのハッチを使用しています。

後方のハッチは「新」で使用。テイラー達が乗っていた機体なので元々装備されていた

と思われますが本来はキャノピー後方に座席が並列複座2列で計4席、その後方左右の

壁側に上下二段式の長期睡眠装置があり、ハッチは更にその後方という事になるので

上の画像で示してはみたものの、モデルが如何に寸詰まりであるかが解ると思います。

 

 

FRONT & REAR VIEW

キャノピーは残念ながら塗装処理。映画では殆ど映らない為かリアのモールドは

一切ありませんが海外製ガレージキットではハッチやノズルが再現されていたりします。

ふむ、こうして角度を付けて見るとカッコイイですね。

同年公開された「2001年宇宙の旅」に登場する宇宙船に引けを取らないと思います。

対してリアビューは見ない方向で楽しみましょうか(笑) 海外製ガレージキットの

中には機体後方に構造物が接続された状態のイカルスもある様です。

 

 

ACTION?

機首上部にあるスイッチを押すとボディ上部がパカッと開いてディスクの収納ラックが

現れますが出し入れは一寸やり難そう。また、ボディが開くと内部のLEDが点灯します。

 

 

ディスプレイ台が付属

本体を寝かせた状態で飾る為の‘ANSA’のロゴ入り台座も付属します。

因みに「新」だとNASAの名が出てくるんですが…?

 

 

メディコムトイ製 キューブリック

幅広く展開していたキューブリックですがその中に於いても「猿の惑星」シリーズは

旧作からティム・バートン版まで特に幅広く展開されていました。画像は「新」からの

商品化で宇宙服を着たコーネリアス、ジーラ、マイロの3体にイカルスが付属。

イカルスは簡易モデルですが後部のディティールも再現した拘り仕様となっています。

イカルスの全長は約8cm。黒っぽい色としたのは劇中を参考にした為と思われます。

人形にはバイザーが可動するヘルメットも人数分付属しているのですが、パッケージ裏の

イラストにある様なヘルメットを小脇に抱えるといったアクションはとれません…

う〜ん、これはズルいよなぁ。

 

2001年発売/定価:2480

 

 

西暦3955年からの帰還!

キューブリックとDVDケースのサイズ的相性は中々のバッチリ具合!

並び順は劇中に則して左からコーネリアス、ジーラ、マイロとなっています。

 

数奇な運命を辿って結局打ち上げから2年後に地球に帰還したテイラーのイカルス。

登場した3作品は何れも不時着するだけで派手な活躍をした訳ではありませんが

何故か心惹かれる宇宙船であります。後部に接続されるユニットの有無や

まともな着陸装置は無いのか等々、映像的には色々と疑問に思う部分もありますが、

そんな事を気にさせないだけのパワーが「猿の惑星」にはあったのだと思います。

 

 

 

 

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イカルス的「猿の惑星」

操縦席右側にあるパネルには船内時間と地球時間(共に年月日)が表示されており

「1」冒頭では船内:1972714日、地球:2673323日とあります。

テイラーの台詞によるとイカルスはケープケネディ基地から打ち上げられて

半年らしいので打ち上げは1972年初頭とみて良さそう。

 

乗組員は計4名で、テイラー以外の3名は既に長期睡眠状態。

冒頭、語り終えたテイラーが長期睡眠装置に入った時に地球時間は2673327日に。

全員が長期睡眠中、自動操縦で航行していたイカルスは猿の惑星の湖?に

着水するのですが不時着同然であった事から何らかのトラブルがあった模様です。

着水と同時に長期睡眠から蘇生した乗組員でしたが1名の装置にトラブルが発生しており

既に死亡してミイラ化していました。唯一の女性隊員だっただけに何とも残念。

 

畳み掛ける様に後部ハッチより浸水!機体が傾く中、外気センサーで大気成分を確認後に

機首側のハッチから脱出。緊急時の中でも銃1挺に弾丸20発、各種計測機器、

3日分の水と食料をボートと共に持ち出す辺りテイラー達の冷静ぶりが伺えます。テイラー

は脱出時に例の時計パネルも確認、地球時間39781125日を指していました。

…と、ここまでが「1」冒頭のイカルスシーン。この地球時間が後々矛盾を生じる事に。

 

ところでテイラー達の宇宙探検の目的ってよく解らないんですよね。

どうやら320光年先のオリオン星雲に向かっていたらしいのですが、冒頭シーンで既に

地球時間2673年ですから最初から地球に還るつもりは無かったと思われます。

調査探検をして得た情報もそれを地球的に活かせる訳ではないので大金を掛けて

宇宙に送り出す意味が理解し辛いんですよね。テイラーは女性隊員スチュアートを

新天地のイヴにしようと考えていましたが、たった4人では先が知れていますし…。

「1」のオチは60年代ならではとも言える1回限りの超大技!

人類に絶望するテイラーでしたが彼にとってはこれで良かったのかもしれません。

 

 

イカルス的「続 猿の惑星」

「続」の主人公ブレント達が乗っていたイカルスは行方不明になったテイラーを探す為に

打ち上げられた模様で、テイラーと同じ航路を辿った後にやはり猿の惑星に不時着。

今度は目出度く?陸地に不時着出来たのですが注目すべきは焦げ気味のイカルス後部に

何らかの構造物の残骸が確認出来る事です。イカルス部と異なり原型を留めていない上に

真っ黒に焦げているのでハッキリとした形状は不明ですがノズルの姿を確認出来るところを

みるとイカルス後部には本来ブースターか指令船っぽいものが接続されていたのかも。

因みに後部構造物の付いた海外製ガレージキットの画像を見たのですがスクリーンには

映らない見慣れぬ船影にこれがイカルスかと戸惑ってしまいました。

 

乗組員はブレント以外にも船長が登場しますが早々に死亡。テイラー達と同様に

機首上部の脱出ハッチを使用しており、ブレントも時計パネルを確認するのですが

地球時間3955年と発言。あれ?テイラーが着いたのは3978年だからテイラー以前に

着いちゃった事に…テイラー機の時計が狂っていたと解釈したいのですが

続く「新」を観ると、そうも言えないんですよねぇ。

 

「続」のラスト、ゴリラ族とミュータントの戦争中にテイラーのせいで?

コバルト爆弾が爆発。地球がブッ壊れてジ・エンドだったのですが…

 

 

イカルス的「新 猿の惑星」

ある意味シリーズの主役とも言えるチンパンジー族のコーネリアスとジーラは「1」で

テイラーと別れた後、同じチンパン族のマイロ博士と共にテイラーが乗って来たイカルスを

湖から引揚げて研究。何と「半分を理解した」状況で修理に成功!「1」でテイラーが

飛ばした紙飛行機に驚いていたくらいなのに。マイロは超進化チンパンなんでしょうか?

コーネリアス、ジーラ、マイロの3人がイカルスに乗って飛行中にゴリラvsミュータント

の戦争でコバルト爆弾が爆発(起爆させたのはテイラー)。地球が崩壊するのを

イカルス船内から見つつ、その衝撃でテイラー達が生きていた時代にタイムスリップ。

カリフォルニア沖に着水するのであった…というのが「新」の冒頭シーン。

という事は、イカルスは自力で離陸・飛行可能なんですね。大気圏離脱も可能なのかな?

今回は機体を大きく損傷する事なく無事に着水した様で、程無く米軍に回収されるの

ですが面白いのはコーネリアス達を米軍施設に移送する際にイカルスもトレーラーに

積んで搬送するシーンがしっかり描かれている事で、宇宙船が登場するシーンとしては

イカルスのサイズ感覚を含めて中々興味深い画となっています。(上の画像はイメージ)

その後イカルスはNASAによって3955年からやって来たと断定される事に。

「1」ではANSAだったのでパラレルになったと解釈するべきか…。

 

因みに「テイラーは2年ほど前に行方不明」との台詞があるのでコーネリアス達が

辿り着いたのは1974年頃とみて良さそう。(ウィキペディア等では73年)

 

という訳でイカルス内部の様子が見られる「1」、謎の後部ユニットの残骸が見られる

「続」、海上を漂い浜辺に引揚げられトレーラーで搬送される姿が見られる「新」と

シリーズ始めの3作品は短いながらイカルス的にも見所のある作品となっています。

「創世記」でチラッと映ったイカルスがその後どうなったかも見てみたいものですね。

「1」で完結でも充分なのですがダレ気味になりがちな続編に於いて

独特の世界観を構築しファンを得たというのはシリーズ物映画としては天晴れ。

昔はハマれなかった「続」〜「最後」も現在ではお気に入りの作品達です!

 

 

 

 

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