登場作品:青の6号(OVA)
全長:120m 全幅:55m 全高:51m
水中排水量:8500t
速力:15ノット(水上)/40ノット(水中)
潜航深度:2000m
乗員:97名
かつての潜水艦漫画「青の6号」が原作者である小澤さとる氏自身の手によって
新たなる設定の下、90年代に再漫画化、それに合わせて原作とはまた違った
世界観を持たせたオリジナルビデオアニメーション(OVA)も登場し、
1998〜2000年にかけて全4話が制作されました。
誰が為のOVA?
自らが産み出した合成生物‘キメラ’による新世界創造を企てるゾーン・ダイク、
それを阻止せんとする潜水艦隊「青」の戦いを描いた海洋冒険アニメ!
さて今回改めて見直してみたのですが…正直「次は無いかな」なんて感じの作品です。
少なくとも「小澤さとるの青の6号がOVAになる」と聞いて期待する人が
求める様な内容では無かったと思います。
これはOVAに限った事ではないのですが、最近のこういった作品というのは
作り手のセンスやパワーと云ったもののベクトルが内へ内へと向かっていて
そうやって出来上がった作品を楽しめるのは作り手の感性に呼応出来る、
或いは作り手の感性とシンクロしている人だけで
それ以外の人には中々受け容れ難いものになっている様に思えてなりません。
「OVAとはそういうものだ」と言われればそれまでなのですが…。
もっとも小澤氏の原作「AO6」や その前の「707F」、本作後のOVA「707R」も
なーんかイマイチだった気が(笑)
青の6号(りゅうおう)
本作の主役メカ「青の6号」には別に‘りゅうおう’という名があります。
伊賀徳洋を艦長とた国際色豊かな乗員で構成されており作品世界を演出しています。
中でもベトナム出身のソナー手 ホァン・メイリンは弱冠10歳の女児で
常人以上の能力を発揮する為に選ばれたという設定。
‘ロレンツィーニ’と呼ばれるバイオセンサーの核のようでもある。
複雑な曲面を多用したそのデザインは本作の監督である前田真宏 氏によるもの。
青の他の艦は山下いくと氏等の手によるのですが何れも有機的なデザインで
残念ながら商品的には不向きなものが多いです。
6号には例によって?‘グランパス’と名付けられた小型潜航艇が
搭載されており主人公&ヒロインが乗り込みます。
左右のアームが展開して格闘戦モードになったりコクピットが分離して
パワードスーツになったりとかなりアクティブにデザインされており、
劇中でもギミック相応に活躍しています。
デザインはバルキリーでお馴染みの河森正治 氏ですがコクピット部は
キャラクターデザインを担当した村田蓮爾 氏によるものでした。
バンダイビジュアル製 DVD−BOX特典
1998〜2000年にかけて発売されたOVAを2004年にBOX化。
本編ディスク2枚に特典ディスク1枚、サントラ関係のCDが3枚のセットで
これにここで紹介する6号の完成品模型が付属する。
定価 ¥20790
模型のスケールは1/1000
左舷
全長約12cm
イルカの様な艦首や背ビレの様なセイル、複雑な3次曲面による生物的な艦影で
底部にあるヒレ状部分の根元がグランパスの格納庫となっている。
設定にあるMHD(電磁流体誘導)推進を表現したのだろうか、
航行時には艦体中央のラインが青く光ります。
武装としては533mm魚雷発射管×6門、660mm近接水中ミサイル、
対艦ミサイル(USM)等を装備。
乗員は97名。
上部および底部
中央の本体を左右のMHD推進ブロックで挟み込んだ様な構成。
モデルは上部の複雑な塗装パターンを丁寧に再現していて大変心地良い。
対して底部は単色主体の構成で視覚的なメリハリを付けている。
前部および後部
主機?である後部の二重反転スクリューも綺麗に再現されていて
デザイン云々よりもその造形の丁寧さが際立つ。
後述するが本品はタカラ製の玩具「世界の艦船」シリーズとメーカーを越えて
リンクしているのだが架空艦の造形としては本家を凌駕している。
台座も付属
オシャレなタイトル入りの台座は設置面積も広く安定感も◎!
本品は飽くまでDVDの特典だが単独商品としても充分イケる。
一般販売されなかったのが残念だ。
付属のグランパス!
全長約1.1cmの極小サイズ!
よくぞ付けてくれました!サスガに6号への格納は不可ですが(笑)
それにしてもエイ型なのに‘グランパス’とは…
劇中では主人公 速水 鉄と紀之真弓が乗り込む。
劇中設定
全長11m 全幅7.2m 全高2.8m
水中排水量:14t
速力:30ノット(水上)/70ノット(水中)
潜航深度:2600m
機関:ガスタービン
推進装置:変向ノズル型ウォータージェット
武装:324mm魚雷 短射程水中ロケット弾
中射程水中ミサイル ニードルガン
乗員:2名
夢のコラボ?
随分と気の利いたギミックです!
OVA「青6」は個人的にはイマイチでしたが
特典モデルの出来は非常に上質な印象を
感じられるナイスなモデルになっています。
しかし、この為だけに¥20790の出費は
どんなもんかと思いますが…。
新旧比較っ!