登場作品:青の6号
速度:28ノット(水中)
安全深度:300m
「サブマリン707」に続いて小澤さとる氏が1967年に描いた
海洋冒険潜水艦漫画が「青の6号」です。
707より世界観を広げ、話はよりファンタジー色豊かになり
全編を通して秘密結社マックスとの戦いを展開しました。
既にポンコツ?青の6号
世界各国が協力して海路の安全を目的として組織されたのが「青」です。
本部は太平洋のほぼ真ん中の海底にあり、青の6号を含む潜水艦隊を中心に活動しています。
「青」の潜水艦は1号‘コーバック’をを筆頭に8号‘パイロン’までありますが、
2、4、5号は原作に登場せず欠番の様です。
ここで紹介する6号は日本の原子力潜水艦で‘くろしお’という艦名もあります。
‘くろしお’と云えば1955〜70年まで活躍した海自初の潜水艦の名前で、
作者である小澤さとる氏は恐らく‘日本初の原潜’であろう
6号にも同じ名前を付けたのかもしれませんね。
ただ作中では最新鋭の1号からポンコツ呼ばわりされてしまいます。
前作707を踏襲したデザイン
6号は基本的に前作サブマリン707Uを進化させた様なデザインをしています。
水上航行性能も考慮された艦首の形状や前部上甲板に格納式の武装を配置している点、
それに何といっても707で好評だった小型潜航艇を後部に搭載するデザインも引継がれました。
707ジュニアと違って、1隻に2人の少年搭乗員が乗込む設定になった6号の小型潜航艇は
「フリッパー」と呼ばれ、通常はセイル後方に格納されています。
タカラ製 世界の艦船 シリーズ3
2005年春に発売、青の6号以外は実在の艦船で構成される。
前シリーズまではOVA関連で「サブマリン707」がラインナップされていたが
ここへ来て「青の6号」が来るとは思っていなかったので正直、面食らいました。
連載当時イマイからプラモが展開されていましたが何故か主役の6号が発売されなかった
経緯があって、マスプロ商品としては実にこれが初の商品化となりました。
定価 ¥380
左舷
全長約11.3cm
やはり何処か707の面影がある。707より進歩した感もあるが反面、
地味な印象もあって主役メカとしては少々役不足だったか?
当時プラモのラインナップから外されたのはこの辺が理由かも…。
本商品はシリーズお馴染みの別アイテム‘マイクロ水中モーター’で航行可能。
シリーズ3では水中モーターもパワーUPしていて、
潜舵による潜航も可能となっています。
因みに本商品は原作に登場する6号のデザインを商品用に手直ししたもので
原作よりもカッコ良くなっています。
(スケールは1/1000)
上部および底部
原作ファンであれば良く出来たモデルと素直に評価出来るのですが
実在の艦船モデルファンに言わせれば情報量の低さや元デザインの不備等が
気になって仕方が無いのかもしれません。
個人的にはこのスケールでスミ入れされるとチョット違和感を感じます。
「青の6号のオモチャ」としてみれば全然OK!なのですが、
「世界の艦船」の基本スタンスを考えると原型師の方にはもう少し
架空のメカをリアルに立体化する術を会得して欲しいかと…贅沢ですかね。
前部および後部
洗練されたイメージの艦影。
スクリューガードが曲がっちゃってますね(汗)
シリーズ全般に言える事ですが、組立・塗装に個体差があって
この辺に毎度頭を悩ませられます。
スクリュー周辺
特徴的なスクリュー周辺。
原作だと1軸だったり2軸だったり…。
シークレット版
こちらは本シリーズのシークレットアイテム版青の6号で
前部の兵装ハッチと後部のフリッパー格納ハッチが開いている。
前部ハッチ内にはビッグロックランチャーを再現。
同スケールのフリッパーも付属するが若干オーバースケールか。
(ハッチ内には格納出来ず)
これが発売されるまでは確かガレージキットが
あったと思いますが、何にしても38年を経て
一般商品として発売された事に感無量です。
評価は分かれますがこのシリーズの架空艦、
出来る限り継続していって欲しいものです。