登場作品:007 サンダーボール作戦
007は60年代に起こったスパイものブームの先駆けになったであろう作品で
現在に至るまで新作が製作される程の人気シリーズになりました。
主役のジェームス・ボンドは代を重ねていますが、やはりショーン・コネリーの
初代が1番人気ではないでしょうか。その初代ボンドが活躍する
「サンダーボール作戦」は1965年、シリーズ第4弾として公開されました。
コード名は‘サンダーボール'!
悪の秘密結社スペクターはNATOが運搬中の原爆2発を強奪し米英首脳を脅迫!
今回007ことジェームス・ボンドに与えられた使命はCIAと協力して敵の手から
原爆の所在を確認し確保する事。かくして‘サンダーボール作戦’は開始された!
既に人気シリーズとなった007ですが本作では長時間に渡り水中シーンを挿入し、
これまでに無い画作りに挑戦しています。60年代の映画…取り分け007シリーズは
「豪華」という印象が強く、原寸大のセットとミニチュア撮影が織り成す特殊撮影は
CG全盛の現在以上の派手さ・豪華さが画面から滲み出ています。
60年代くらいまでの映画は普段の生活の中では絶対に味わえない豪華な映像体験が
出来るものでした。(何しろ家庭のTVはまだ白黒が主流な訳ですから)
やはり映画にはTVとは絶対的に違う「豪華さ」が必要だと思います。
水中戦車と水中スクーター
劇中に於いてはコレといった名称はありませんでしたが今井科学がキット化した際に
「水中戦車」と名付けられた様です。ナカナカ洒落たネーミングだと思ったのですが
劇中では奪った原爆を水中で運搬する為に使用されていました。クライマックスでは
艇首からモリを発射したりしていたので、この辺で‘戦車’の面目躍如といった
処でしょうか(笑)水中スクーターも水中戦車同様スペクター側のメカで、
やはりクライマックスを始めとして印象に残る活躍ぶりを劇中で見せてくれます。
同じく今井科学よりキット化されているのですが現在はチョット手が出ない値段に
なっています(泣)デザインの違うボンドの水中スクーターも発売されていましたが
劇中で実際にボンドが使用したのはアクアラングの様に背負うタイプのもので、
猛烈な勢いで水中を進んでいました。毎回登場するボンド側の奇想天外メカも
このシリーズの楽しみの1つですね。名車アストンマーチンも登場、活躍します。
イマイ製 プラモデル
これはイマイが最後に再販したもので名称は「海底バギー」になっています。
元は劇場公開時に「水中戦車」として大小2種発売された「小」の方で、
以前にも何度か再販された事があります。「大」はモーター動力の大型キットでした。
両舷にはナゾのマークがあるもののデカールは付属しません(涙)
初版ではスペクターのマークとなっています。
(但し劇中で登場するものにマークは無い)
本体部品の全長は約15cm ゴム動力で潜航可能。 ¥500
説明書
2の水爆は本体から発射可能。
コクピット内には半身人形が2体いて、キャノピーもクリア部品。
水上航行、潜航、旋回可能…と、小型キットながら実にしっかりした商品です。
水中スクーターの駄玩具
おォ、これはビックリ!こんな駄玩具があったんですね〜。
これは明らかに本作に登場するスペクターの水中スクーターをパクッ(以下略)
台紙右上にある社標には‘OT’とありますが…ドコ製でしょう?
タグの絵も怪しさ満点でイイ感じです(笑)
本来は12個付きで1個¥50 ゴム動力で潜航可能。
三面図
全長約17cm(ダイバー含)
スクーター部にある潜舵は玩具オリジナルだが、
これにより潜航角度が変えられる。
前部および後部
あまり違和感を感じさせない見事なデザイン!
スクリーンで観ると原寸大のプロップがまた妙な説得力を与えてくれます。
当時水中スクーターもイマイからキットが
発売されていましたが、80年代以降は
再販されずイマイも倒産してしまいました。
「海底バギー」と名称は変わりましたが、
イマイが倒産する前に再販された事は
幸運であったとしか言い様がありません…。
劇中ソックリ!